第八話
被害者の部屋を、コスプレアイドルの殻倉 あつなと調査する士郎。
果たしてヒントは得られるのだろうか?
士郎は身動きとりにくそうなあつなをよそに。
うろうろ部屋の中を歩き回った。
部屋の状況は、あの日とほとんど変わっていない。
そこらじゅうに散らばるエロそうな雑誌とお菓子のゴミ、二次元な女の子のポスターとアイドルのポスターで埋め尽くされた壁、色々なものが見えているフィギュア、血濡れた抱き枕もそのまま、等身大のガチャピソ、口では言えないもの、アニメキャラの着ぐるみの頭部、着せ替え人形、トレーデイングカード、ピンク色のガンタンク。
全てを照らし合わせる。犯人と目星を付けた殻倉 あつなに対して。
士郎は以前にもこの方法をとった事がある。そして、見事に犯人を捉える事が出来た。
これは、彼の得意とする捜査手法のひとつだった。
「むっ。」
そして、何かひらめいたのか立ち止まる。
あつなが、「刑事さん、何か分かりましたか?」と彼に声をかけた。
「なるほどね……そういうことか。お嬢さん、ありがとうございます! おかげで、ひとつ良い事に気がつきましたよ。」
「それは、よかったです。」
「やっぱりやってみるもんですね! これで、犯人に一歩近づきました。」
そう言って士郎は、あつなの後ろにある物品を見る。
それは、等身大ガチャピソの人形であった。