表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/13

第四話


 「地獄を見れば~心が騒ぐ~戦いは飽きたのさ~」


 「オーッ!」


 会場内は音楽に合わせて歓声が上がる。

 一部の人間は、ピョンピョンと飛びはね、変な踊りを踊り、黄色い点灯棒を振りまくっていた。

 異様な熱気が室内に立ち込める。士郎はそれを、なかば呆然として見ていた。


 「なあ、あの歌は何なんだ? えらく渋めの曲だが……」


 「ああ、あれは装甲騎兵ボトムズの<炎のさだめ>ですよ。80年代のアニメの曲です。」


 「お前、詳しいな。結局、お前もこいつらと同類じゃないのか?」


 「否定はしませんけど~」


 渋い曲を歌うのは殻倉(からくら) あつなと言う少女だった。

 被害者がファンになる事もあり、なかなかの美人でコスプレも似合っていたが、士郎は亡き妻の方が上であり、学校では「紫の薔薇のつぼみ」などと呼ばれいるらしい娘の鏡子の方が顔は上だなと思った。


 「そっとしておいてくれ~明日に~ああ繋がる今日までは~」


 あつなはネガティブな歌詞を元気ハツラツに歌い続ける。

 周りを盛り上げる雰囲気を彼女は持っていた。 


 士郎はどさくさに紛れて本日11本目のタバコをふかす。


 「明日になるまではそっとしてくれ……か。まるでこれからムショにでも入る奴みたいだな」




  

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ