最終話
話を聞いた鏡子は……
「……ふーん、勿体ないね。人気のコスプレアイドルだったんでしょ?」
「そうだな、実に勿体ない犯行をしたもんだよ。大事な人生を棒に振ってしまって。」
「そうだね。どんな画像が流出したか知らないけど、軽率だよね。」
士郎は、パックのイクラを箸でつまんで口に入れる。
そして湯で割った焼酎をそこに注ぐ。
「ああ、自他を軽率に扱いすぎだ。被害者も犯人も。鏡子もそんな事にならないように気をつけろよ?」
「かーっ! 何で飛び火するのよ? 私がその辺しっかりしてることお父さん知ってるくせに。」
士郎は、そうだなと笑った。
「でも、将来の事はちゃんと考えてるのか? お前は、そう言うことに関しては全然父さんには言わないからな。」
「ちゃんと、考えてるよ。」
「何だ? 公務員か?」
「いや、違う。私は……」
士郎が、飲んでいた焼酎をこぼしたのは、すぐ後の事だった。
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ここまで、読んでくれた方々には感謝です。
はじめての推理ものでした。トリックを考えるのはなかなか面白かったです。
最初は短編として投稿してしまいましたが、最後まであまり追い詰められずに書き終えることができました。
今度は、更に深みのあるものを書けたらと思います。