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第5話 野球場の負の連鎖

目には滅を!歯には破を!

第5話 野球場の負の連鎖

部活動の闇を暴いてから数日。藤野たちのチームはさらに結束を強めていた。与根田の電気操作、田中のサイコロ強化、高田の歴史幻想――新メンバーの加入で、戦力は格段に上がった。猪奈倉チームとの合同練習も頻繁になり、伊藤の絵はペン一本で発動可能に近づき、村上の絶対命令も念じるだけで効くようになりつつあった。そんな中、大西敢太から緊急の情報が入った。「絵盛高校と東打高校の野球部、合同練習試合がある。そこに組織の能力者5人が揃う。チャンスだ。」絵盛高校――男子校で野球が強く伝統校。東打高校――こちらも野球の名門。2校の野球部に、悪の組織が深く食い込んでいるという。「大西の仇を取る。行くぞ。」藤野の言葉に、皆が頷く。丹羽の予知は「負の連鎖が爆発する」と告げていた。週末の野球場。観客は少ない合同練習試合。グラウンド脇の倉庫に、藤野たちは潜む。敵は5人。皮瀬――学力も野球もそこそこ、表ではいい人だがキレると怖い。B級能力者で、周囲の援助攻撃を無効化し、必ず1対1に持ち込む。節田――派手な袴を愛用、いかつい風貌で睨むのが得意。B級で、睨みで相手の防御を弱める。楿山――相手をバカにするダル絡みが多い厄介者。C級で、格下には攻撃力増、格上には減。矢橋――威圧的な態度でチームを牛耳る。B級で、威圧で攻撃を無効化。石河――強い者に巻かれる小物。C級で、強者の能力を増幅。全員、元白誠中学校出身。計画は単純。まず石河を捕らえ、皮瀬の暗殺に利用する。増幅能力で皮瀬を誘い出し、1対1の弱点を突く。伊藤の絵で囮を作り、石河を拉致。拷問めいた脅しで寝返らせる。「わ、わかった! 言う通りにする!」石河は小物らしく、すぐに折れた。皮瀬に「裏切り者の情報を掴んだ」と連絡。皮瀬が単身現れる。「1対1で決着だ。」だが、石河の増幅で皮瀬の力は暴走気味。返り討ちにし、石河を倒す。石河は重傷でリタイア。これに矢橋が激怒。「お前ら、何やってんだ! 皮瀬、てめえ……石河を返り討ちだと?」バットを振り上げ、皮瀬の頭を殴る。脳内出血。皮瀬は植物状態に。「組織の恥だ!」楿山はバカにするように絡むが、節田が睨みで弱体化させ、口封じで攻撃。楿山は命乞いするが、条件付きで拷問。宮華高校の情報を吐き、節田に裏切られリタイア。矢橋はさらに暴走。威圧で皆を威嚇するが、組織から連絡。「事態を収束しろ。野球部内の揉め事にしろ。」組織に見放され、皮瀬と矢橋は操られ、裸で土下座。社会的制裁。辱めを受け、地位崩壊でリタイア。節田も同じ運命。裸土下座の写真が回り、人生終了。藤野たちは隠れて見守るだけ。「ざまあみろ……圧倒的な小物だな。」心の声が漏れる。ダル絡みの楿山、威圧の矢橋、睨みの節田、裏切り者の皮瀬、小物の石河。自滅の連鎖。石本が分析。「組織の結束は脆い。性格の悪さが仇になった。」浦澤が過去を遡る。「全員、白誠中学校。教師の贔屓で能力を与えられた連中だ。」また、白誠。藤野の頭に痛み。記憶の欠片がちらつく。中学時代の嫌な顔。与根田が電気をチリチリさせ。「次は女子校か。お嬢様の闇。」高田がめんどくさそうに。「歴史を変える力、そろそろ目覚めそう。」田中がサイコロを振る。「運、上がれ!」野球場の夕陽が、血のように赤い。負の連鎖は、組織の内部を蝕み始める。復讐の炎は、静かに広がっていた。

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