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受付さんのヒミツ ~異世界に行き中学生デビューし損ねたぼく~

作者: ナベノヂ
掲載日:2025/10/15

ギルドの訳アリな受付のお姉さんと、

唯一の異世界人で「中学生デビュー」をし損ねた少年。


ポップな話です。

「はあ。

また、薬草集めですか?」

「はい。

お姉さん、早いですね。ぼく、結構早めに来たつもりなんですが」

「受付なので」

ギルドの受付のお姉さんは、メガネをクイッと上げる。

早朝、太陽が昇りはじめの頃。

ぼくと、お姉さんしか、ギルドにはいない。

「他の受付さんは、まだ来てませんよね?」

「私は私です」

「わあ、格好いいですね」

笑顔でぼくは言う。

「は?」

しかし、若干イラッとされる。

お姉さんは立ち上がり、

「じゃあ、依頼を選んで来て下さい。私は、奥の部屋で準備しますので。

どの薬草集めなんでしょうね」




「依頼確認所じゃない…」

ぼくは呟く。

お姉さんが座っていた椅子の、テーブル。

そこに、1冊のメモ帳。

本人は、今は、奥の部屋にいる。

多分、というか、絶対、あのお姉さんのメモ帳。

「どうしよう」

ぼそり。

見たい、すっごく、見たい。

何を書いてるんだ? いつもはクールなお姉さん。一体、内容は。

「いけないけない」

他人の秘密を知ろうとしたら。

…。

よし。




「また、薬草集めなんですね。

わかりきっていましたが」

「は、ははは」

「?

何ですか、そんな顔して」

「いえっ、何でも」

「??

はい。確認しました、頑張って下さい」

どうしよう。

ぼくはどうすればいいんだ。

すごく、ドキドキする。

お姉さんがメモ帳に書いていたこと。

それは、『この世界と、ある人に合っているか』について。

美味しい店、観光の穴場、主なニュース。

それに、『ぼく』が合っているかどうか。

勘違いじゃない、ぼくの名前が書かれていたから。

この世界に、ぼくと同じ名前の人はいない、いるわけがない。

『異世界人』のぼくと、同じ名前の人は。

ぼくは、唯一の異世界人なのだから。

お姉さんと、どう接していいのか。

し損ねた『中学生デビュー』をしようか。格好良くなって。この世界にはまだ慣れてなくて、まだ薬草集めしかできないけど。

そうしたら、少しは踏み込んで会話できるだろうか。

でも、本当に。

心配してくれてるだけ、なんだよね?

恋、とか。

あっ、不味い、顔が赤くなっちゃった。

読んでいただき、ありがとうございました。


いやいや、2人の先が楽しみですね。付き合うのか、関係維持か。


あなたにもいい出会いがありますように!

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