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あの娘と私

その夜、美桜は自室のベッドに腰を下ろしながら、スマホに並んだグループLINEのやり取りをぼんやりと眺めていた。

《浴衣決めたー!》《俺も浴衣買おうかな》《花火大会楽しみ!》


メッセージのほとんどが、高城華を中心に回っている。

男子二人――成瀬翔太と吉岡大輝が、どちらも華を意識しているのは、見ていれば分かる。

そして華自身が、どちらに気持ちを寄せているかも、美桜には分かっていた。


スマホを机に置き、美桜はリビングへ降りていった。

「お母さん、下駄って家にないかな?」

台所で夕食の下ごしらえをしていた母親は、包丁を止めて顔を上げた。

「下駄? 浴衣で花火?」

「うん。でも別に、私はサンダルでもいいかなって思ってて……。」

「だったらサンダルでいいじゃない。歩きやすい方がいいわよ、人混みだし。」


母親の何気ない言葉に、美桜は小さくうなずいた。

――そうだよね。私には、誰かに見せたい歩き方なんて、ないんだ。



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