表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/15

一軍女子のお買い物

放課後。

佐伯美桜と高城華は、駅前のショッピングモールの浴衣売り場に並んでいた。

カラフルな反物がライトの下で整然と並び、ポップには「花火大会おすすめコーデ」とある。


「ねぇ見て、これ絶対かわいい!」華が紺地に朝顔模様の浴衣を手に取る。

「華っぽいね。華やかだし。」美桜は微笑みながら別の棚を眺める。

「美桜は白が似合いそう。ほら、これ涼しげでいいじゃん。」

「……うん。でも帯はどうしようかな。」


二人は並んで鏡の前に立ち、浴衣を胸に当てながら笑い合った。

「花火大会楽しみだね。絶対写真撮ろうね。」

「うん。翔太たちもいるし、絶対盛り上がるよ。」


その会話のどこにも、相沢悠斗の名前は出てこなかった。


試着室のカーテン越しに、華の声が弾む。

「やっぱ下駄買おうかな。浴衣にサンダルって、なんか雰囲気出ないじゃん。」


美桜は手にした白い浴衣を見つめながら、少しだけ肩をすくめた。

「私は、もう持ってるサンダルでいいかな。歩きやすいし。」


「でもさ、せっかくだし。好きな人と並んで歩くんだよ? カランカランって音、絶対かわいいって!」

華は下駄を両手に持ち、嬉しそうに鏡の前で足を動かしてみせる。


美桜はその姿を横目で見ながら、口には出さずに思った。

――私は、そんなふうに誰かの隣を意識して歩くのかな。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ