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類魂  作者: 嶋恭作ニ
第一章 運命の人
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8.守護天使?

韓国ドラマなどでよく'守護天使'という言葉や役柄が使われている。

我々にとって守護霊とか守護神という言葉の方が馴染みが深いがいずれにしても日本では人間では無い。

気になって調べてみたらキリスト教系の教派で使われている言葉らしい。韓国ドラマではキリスト教信者が多いせいか実際に出会った運命的に助けてくれる人の事として使っているようだ。同名(守護天使)のドラマがヒットした事もあってその言葉に馴染みが深いようだ。


恭作と優子も韓国ドラマ風に言えばお互い'守護天使'なのかも知れない。日本だと'ソウルメイト'という呼び方がよりピンと来る。

例えば恭作が担当している仕事の中で唯一の大赤字ビジネスが何と優子が担当してから僅か2年で黒字化したのだ。そのおかげで恭作は昇進、優子は正社員登用し且つ一年後には主任にまで昇格した。

その功績はほぼ優子のおかげで、その手法は値上げをリーズナブルな範囲で要求し契約社員では話がつかない所を恭作を切り札として登場させ話をまとめるという都内での派遣社員を渡り歩いた時に培ったものだった。恭作の勤めている工場ではそこまでできる人間はおらず、赤字で出荷して泣き寝入りし上司も見て見ぬふりをしていたという事だった。

もちろん仕事だけでは無くデートしていても'こんなに合う人はいないな'とお互い思っていた。恭作から見れば恋人あり親友であり母親の様な存在だと感じていた。無人島か僻地で2人きりになっても全然平気でむしろ幸せだと思っていた。デートでも何故か2人っきりになるシーンは度々あった。映画館で人気が無く貸切り状態になったり、辺鄙な観光地で周りに誰もいなかったり、結構人気ありそうなレストランで異常な位空いていたり。韓ドラで財閥の彼氏が貸し切るシーンじゃないんだからと二人して不思議がった。それこそスピリチュアル的に言うとお互いの守護霊さん達が応援して貸切り状態にしてくれているんじゃないかとも思った。


逆にコイツとはどうしても合わない人間もいる。それどころかこちらは悪くないのに何故かイチャモンをつけられて喧嘩腰になってくる、あるいは不当な意地悪をされたりする奴らだ。上下関係があれば泣き寝入りするか干されたりする事もあるが、どうしても理不尽な要求しかしてこないと思われる輩もいて、そういう場合恭作は上司や顧客に対しても盾いてしまうので干されたり出入り禁止とかなってしまう事もあった。


一方で合う人とはとことん上手くいき、昇進や受注に成功したりする。何か魂の所在の違いなのか目に見えない力を感じてしまう。結婚相手にしてもそうだ。離婚原因の第一位はブッチギリで'性格の不一致'らしいがそれも'魂の不一致'なのではと思ってしまう。

恭作と優子が付き合い出してしばらくは恋も仕事も絶好調だったがその事で恭作は悩んでいた。

「何故、妻とは上手くいかないんだろう?いつからだ?何が原因だ?妻だってこんな夫婦生活に限界を感じるだろう。このままで人生終わって良いと思っているんだろうか?」

夫婦仲がうまくいってないと思う様になったのは5~6年前からだ。8年前に長女が誕生し(この長女がこの先の運命を導くキーパーソンだとはこの時誰も思っていないが)、長男はそれより7歳年上で結婚したのは18年も前だから12~3年は上手くやっていたという事になる。いや仲違いする暇がなかったのかも知れない。

バブルの真最中に結婚し、小さくて高い中古一戸建てを無理なローンで買い安月給で何とか返済しつつ長男を授かった。その2年後にアメリカのど田舎(日本人など滅多にいない)にある工場に転勤になった。3年間の駐在生活を終え日本に戻ってきたら長女を授かり買った家は4人家族には狭すぎた。両親が高齢で二人暮らしな事もあり実家を二世帯住居に改築同居し、初めの家のローンを完済してホッとした頃から妻との不仲を感じたのかも知れない。元々余裕があって平和な暮らしをしていたらもっと早く'魂の不一致'に気がついていただろう。

特に魂が完全に一致しているとしか思えない優子との付き合いが深くなればなるほど

「こんなの愛し合っている夫婦じゃない。仮面夫婦の最たるものだ」

と感じてしまっていた。


一方優子の家庭はというと、彼女が地元では有名な大会社(それも就職試験に落ちた事があるらしい)で正社員登用され且つ主任昇格した事に対して夫が激しく嫉妬して益々口を聞かなくなり、部屋に閉じこもり顔も見なくなってしまった。それでも優子は引きこもりの子供の世話の様に部屋の前に夕食は毎日出しておいて、それをいつのまにか完食しているという正にUMA(未確認動物)状態になっていた。


-続く-

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