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類魂  作者: 嶋恭作ニ
第三章 第二の人生へ
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42.愛奈の家出

翌日、恭作は久々に実家に帰っていた愛奈に早速尋問された。優子の事は隠してもしょうがないので正直に話したが、これで世の中で優子との不倫詳細を知っているのはこれで仁美さんを含めて12人強となった。(実際はその後彼氏にも話したそうで13人強だったのだが)

「やっぱりそうだったの!」

と言ってちょっとだけ涙ぐんでいたが、あまり責められなかった。いやむしろしょうがないという感じで同情してくれた。'お父さんを責めたり軽蔑したりしないで欲しい''あなたが独り立ちしたらそろそろお父さんの人生を解放させてあげても良いんじゃないかな'などのアドバイスを仁美さんから受けていたことを恭作はこの時初めて知った。


2021年になり一年後に卒業を控えている愛奈は仁美さんの予言通り第一希望の会社に就職か内定したが、大学はコロナの為にリモート授業が大半となってしまい通学する機会は激減し、一人暮らしのアパートを解約して実家での生活に逆戻りすることにした。既に兄は独立して家を出ていたので母親の標的は娘に集中したため沈静化していた母娘の関係はまた悪化して、愛奈は再び悩んでパニック症候群に陥ってしまい精神科を受診するまでになった。仁美さんから受けた'あなたの方が魂の年齢は上なんだから、お母さんだけどあっちが子供だと思って対処しなさい'という以前もらったアドバイスも効かないほどで、精神安定剤を処方されるほどだった。


ついにある日、我慢の限界を超える暴言を母親から吐かれ、その日の夜愛奈は家出した。友達の家や彼氏の家を渡り歩いていたのだがそんな生活が続く訳もなく2,3日して帰って来た。恭作は優しく聞いた。


「何があったの?またママと喧嘩か?」


「そんな単純なものじゃないわよ!もう絶対あの人の事は許せない!パパが家を出たらママが一人になって可哀想だから一緒に住んであげようと思っていたけど、やっぱり私も家を出て一人暮らしする。仁美さんにも会って相談してきたんだけど、とにかく家を出るという事を最優先に考えるしかないと言われた。あと、愛する猫ちゃんは連れていきなさいともね」


恭作もその頃仁美さんのカウンセリングを受ける事になっていたので愛奈のことも含めて相談する事にした。前回指定された喫茶店の近くのファミレスでの鑑定となった。仁美さんは前回よりも活気が有り若く見え、前の時は疲れていたのかな?などと思いながら相談を始めた。仁美さんは早速ど直球を投げ込んできた。


「とにかくあなた達二人共家を出なさい。愛奈ちゃんもメンタルかなりやられちゃってるし、前にも言ったけど父親の貴方もこのままじゃ何か重大な病気にかかるわよ」


恭作はギクっとした。実は健康診断にて不正脈で引っかかり、いつもの病院で検査しはじめている所だった。もちろん優子以外は知らない話だ。仁美さんは続けた。


「愛奈ちゃんを通して母親、つまりあなたの奥さんを鑑定したんだけど、精神的に問題を抱えているみたいなの。多分精神科で診てもらうと正常と診断されるかもしれないレベルなんだけど、いわゆるパーソナリティ障害系の気があるのよ。彼女の場合軽症だから普通はその症状は出てこないみたいだけたど、ストレスとか何かの拍子に出てくるみたい。周りからは良い人だと思われたりするみたいで他人などの第三者や強者がいると問題無いんだけど自分より弱者とか身内だけしかいないような時にその症状が出易いようね。私は医者ではないから詳しくはわからないけど、その症状が出ると訳も分からず感情的になって相手を責めるみたい。被害妄想とか、自分の事しか考えられなくなって当たり散らすとか色々なパターンごあるらしいんだけどあなたの奥さんは自分勝手パターンね」


恭作はピンと来た。愛奈が母親に不満を持ち始めたのは恭作が単身赴任になってほぼ二人暮らしになってからだし、今回の家出事件も恭作がいない時だ。その内容も例の精神疾患で寝込んでいる所を'いつまでダラダラ寝てんのよ'と叱られたらしい。愛奈にとってみれば'誰のせいで寝込む程調子が悪いか知ってるの?!'と言いたい状況だったらしい。家出騒動の後に愛奈からは

「信じられないだろうけどパパがいない時はそんな事しょっちゅうだったんだよ」

と言われていた。


「それって治る病気なんですか?」


「あなたの奥さん自身が自分が病気なんだと認めて精神科に診て治療してもらえば治る可能性はあるんじゃないかな。でも彼女の性格だと診察してもらっても自分がおかしい事は認めないだろうし、精神科に行く事を勧めただけで逆上しそうね。この手の相談はたまにあるんだけど、『毒母』っていう言葉がある位に稀ではないみたいで、そういう事の専門のカウンセラーもいるみたいよ。とにかく一回自分を見つめ直させる為にも奥さんを一人にした方が良いんじゃないかしら。あなたが優しいから今まで世間の厳しさに触れてない事もあって自分勝手なんじゃない?」


恭作はその通りだと納得し、100%家を出る決意をした。



-続く-


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