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類魂  作者: 嶋恭作ニ
第三章 第二の人生へ
39/45

39.手術入院

手術までの待ち期間4ヶ月弱のうち前半2ヶ月は事前検査等色々忙しかったが後半2ヶ月は結構暇だった恭作は仕事も術後の事を考えあまり中期的なものは入れなかった事も有り、暫くできなくなりそうな酒やゴルフを結構楽しんだ。入院は12月の初旬、手術日の前日でトータル10日間の病院生活になるという予定となり、さすが腹腔鏡手術だけあって短いなと恭作は思った。後で考えるともう数ヶ月遅かったらコロナの蔓延と重なり手術する事も危うかったかもしれないと胸を撫で下ろした。手術自身は上手くいって予定通り退院できたが、10日間のうち入退院と手術当日の3日以外1回しか恭作の妻は病院に来なかった。それも息子が見舞いに来た時の同行だけだった。会社の人間にも詳しい入院先など教えて無かったので見舞客も無く、残りの6日間誰も来ない事を恭作が優子に伝えるとその全ての日に来てくれた。目立つと行けないので毎回病室と離れた休憩所で点滴棒と尿道直結の尿貯蔵袋を連れての面会だったが恭作にとって嬉しかったのは言うまでもない。これが本来の愛し合っているパートナーだよなとつくづく思うと同時に感謝した。


退院直前には何とか点滴と尿貯蔵袋も取れてオムツに変わったが、数時間で交換が必要になる位尿漏れは酷かった。退院時にはさすがに恭作の妻はクルマで迎えに来てくれたが、帰りにその大学病院の近くにある有名な食パン屋に寄らされた。そこまではまだ良かったが駐車場が満杯なので妻はパン屋の行列に並ぶ為に車を降りて、恭作に「パン屋の周りを運転してグルグル回っておいて」と言い放ち運転させた。'コイツまじかよ⁉︎さっきまで点滴してベッドに寝てたんだぞ!'と思ったが、まあ堪えた。

それに続いてこんな事もあった。退院して数日後ちょっとした高熱(39度以上)が出てまずいと思い大学病院に連絡したら救急外来にすぐ来てくれと返事だった。恭作は妻にクルマで連れてってと頼んだが、そこまでの運転が混んでてイヤだと言われ最寄りの駅までしか送ってもらえず、そこから電車で行きなんとか病院にたどり着いた。幸い術後の何かによる感染症の為の発熱と診断され、抗生物質の処方で済んで事なきを得た。恭作はホッとしたが妻に電話するのも嫌になって帰りも電車とタクシーを乗り継いで自力で帰った。

恭作はそれまでは娘が巣立ったら別れようと漠然と考えていたのだったが、流石にこの一連の事件で本格的に家を出る計画をし、実行しようと決意した。


-続く-


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