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類魂  作者: 嶋恭作ニ
第二章 もう一つの運命
33/45

33.二回目のカウンセリング

「愛奈ちゃん久しぶり。大学編入おめでとう。そろそろ来る頃だと思っていたわ」


「ありがとうございます。その報告とお礼も兼ねて来ました」

相変わらず何でも見えちゃうんだな。今回はもうビックリしないけどと思いつつ言った。


「大丈夫よ、お礼なんて。彼氏とも別れて一人暮らしも決めたんでしょ」 


'彼氏と別れたのは親友しか知らないし、一人暮らしの件は両親と悠介しか知らない。やっぱり凄いわ,仁美さん!'と改めて感動しつつ面談を続けた。

「全部見えちゃっているんですね。当然今日の相談内容も分かってますよね」


「お父さんの事ね。前回でも大体見えていたんだけど、精神的にショックを受けて編入勉強に差し支えると思ってわざと言わなかったのよ。だからちょっと覚悟してね。

まず、あなたのお父さんとあなたは前世で母娘だったんだけど事情があって娘を手放す事になった様よ。残念ながら前世では再会出来ず、今生で父としてあなたに再会したの。お父さんの人生の目的はあなたを大事に育て上げる事だったのよ」


愛奈は呆然とした。そして記憶のある3歳位からのパパとの色々な思い出が走馬灯の様に頭の中を駆けめぐった。近所の公園でのブランコや滑り台、逆上がりの特訓、かくれんぼ、毎日一緒にお風呂入っていた事、猫カフェ巡りと愛猫チーズとの出会い、単身赴任で大泣きした事、家庭教師にマッサージ、部活の応援等々・・・気がついたら涙が溢れ出ていた。仁美さんの言う事は今までの事で信用し切っていたので疑う余地も無かった。確かにパパの事は大好きでそれ以上の何かあるとは思っていたけれど・・・前世で母親だったとは!


「時代と場所は近代のヨーロッパであなたは何かの踊子さんみたい。前世でも踊りが好きだったのね。

それでね現世の話としてここからが本題なんだけど、あなたのお父さんは数年後にお母さんと別れる事になりそうなの。愛奈ちゃんに言いたかったのは、その事でお父さんを責めたり軽蔑したりしないで欲しいという事よ。」


「それって父に誰か女の人がいるって事ですか?」


「まあ、そういう事ね。でもね、さっきも言った様にお父さんの人生の目的はあなたを育て上げる事だったの。その為にずっとお仕事頑張ってきて重役にまでなったんでしょ。お兄さんを含めて貴方達を第一に考えてきた人よ。あなたがあと3年たって大学を卒業して独り立ちしたら、そろそろお父さんの人生を解放させてあげても良いんじゃないかな。その人といると本当に幸せそうなのが見えるのよね。

それとね、お父さんは今のままだと何かお腹から下にかけての病気で下手すると早死にしちゃうかもなの。病は気からって言うでしょ、今のあなたのお母さんの扱いじゃ長生きできないと思うの。とにかくお父さんを直接カウンセリングしてあげたいのよ。なるべく早くお父さんを説得してカウンセリングに来させてね」


'これは確かに編入前に聞いていたら勉強どころじゃ無かったわ。確かに今のママのパパに対する扱いは酷い。自分は寝てるくせに仕事に行くパパに朝ごはんなんて作ってあげているの見た事無いし、お風呂掃除も会社から帰って来てからパパがやってる。それだけじゃ無いけどあの調子の扱いで早死にしたらかわいそう。とにかくパパを説得しなきゃ'と思った。 


「ところでね、新しい彼氏出来たんじゃない?」


これにも愛奈はビックリした。自分自身も付き合っているのかどうか自問自答して、まだ誰にも相談していない話だ。新しい彼氏と仁美さんが言ってるのは悠介のことだ。同じ学科への編入が決まった頃からで何となく二人で会う機会も増えて二人ともお互いに恋人未満友達以上と思っている段階だった。


「今度はその彼氏と一緒にカウンセリングに来たら」

と仁美さんは微笑んだ。


この時2019年春、コロナが蔓延し始める一年前だった。


第二章 終わり

(第三章に続く)




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