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類魂  作者: 嶋恭作ニ
第一章 運命の人
20/45

20.試練は続く

第二の事件は転勤してから酷くなっためまいを始めとする優子の体調悪化だ。40代半ばなので本人は更年期障害だと軽く考えていたのだが、近くの婦人科もやっている病院で検診を受ける事にした。その結果、めまい等は更年期障害やストレスから来るものだったが、それとは別に子宮筋腫が大きくなり過ぎていた事が発覚したのだ。当然入院、手術する事になり会社にも休暇届を出した。入院、手術はその近所の病院でやってもらえるので安心したが猫ちゃん達の世話が課題となった。幸い、病院の隣のマンションに「猫の子守さん」という猫シッターさんがいて、恭作と優子が小旅行する時はすでに何回も利用していて猫ちゃん達もそのシッターさんに慣れていた。アンジェラ(優子の親友)にも手伝って貰い、恭作を含めた3人で上手くシフトを組んで猫ちゃん達の世話をして何とか入院期間を乗り切った。手術は成功して子宮と片側の卵巣を切除しそちらの方は解決したが、ストレスや更年期障害は残り手術後の回復期間の通勤は特につらいものとなった。そして第三の事件が優子の退院から半年もたたないうちに訪れた。

次の事件も恭作が小山内社長に呼び出される所から始まった。


「恭作君、来期から京都の工場に転勤してくれないか?向こうで工場長の人材が必要となり、君に行ってもらいたいのだが」


恭作は'これは不倫問題の清算攻撃第二弾だな。あの工場は赤字で問題になっていて行ったら何か問題が山積していて大変なんだろうな。断ったらクビにするつもりだろうし、辞めるならいつでも出来るし、とりあえず承諾するしかないか'と思った。


「それは打診ですか?業務命令ですか?」


「業務命令だ」


「じゃあ、しょうがないですね。分かりました」


ということで関西に飛ばされる事になったというものだ。娘は中学に、息子は大学2年に進級するというタイミングなので当然単身赴任となる。これは優子の事と直接的には関係していないという会社内の人達の見解もあったが、当然影響はあっに違いないと鈍感な恭作でさえ感じた。

優子は当然不安がったが、スカイプ(今ならLINEだろうが当時はスカイプがビデオ通話では一般的だった)で毎晩会話する事と月に2〜3回は帰ってくる事を約束して,何とかお互い遠距離恋愛を頑張ろうと誓い合った。この時内心恭作は自分は関東には戻って来れないだろうと思っていたし、向こうで優子と永住する家を探そうとも覚悟した。


顔には出さないが喜んでいたのは妻だ。「亭主元気で留守が良い」がどう見ても表情から読み取れる訳だから心の中で祝砲のクラッカーが鳴っていた事だろう。それくらい夫婦関係は冷め切っていた。

これで1番ショックを受けたのは小学校6年生の娘であり、泣きじゃくった。恭作は娘ととても仲が良く、生理が始まるまでずっと一緒にお風呂に入っていた程だ。入らなくなったのは生理のせいでは無く、クラスメイトに'まだパパとお風呂一緒に入ってるなんておかしい'と言われたからだそうだ。また、娘のたってのお願いで少し前から猫も飼うようになり、恭作は優子の家で猫の世話は慣れていたのでそれも良く娘に教えたりして一緒に可愛がった。猫を飼う事に反対だった妻は動物を見下す所があって、恭作+娘vs妻との冷戦の様相を呈していた。今時の父娘なんて結構仲が良い例も多いと見聞きしていたのでその時は気にしなかったが、相当後でこの父娘の仲の良さには意外な理由がある事がわかり、またそれが恭作自身の人生を決めるキーポイントになろうとは思いもしなかった。


-続く-

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