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類魂  作者: 嶋恭作ニ
第一章 運命の人
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14.目に見えない力

不動産屋が言うには売主が急に売りたくないと言い出したらしい。ローンが払えなくて売る事にしたらしいのだが、売主の親が金を援助するから売るなと指示したらしい。契約と手付金払い込みは完了しているので違約金が100万円以上優子に入るらしいが、彼女はかなり落ち込んでいた。


「元気出せよ、100万円以上もらえてローンもかなり楽になるんだし。マンションはまた探せば良いんだから」


「せっかくUMAから逃げ出せると思っていたのに、目に見えない何かが邪魔しているような気がして。私、離婚出来ない運命なのかな」


と涙目で訴えてきた。優子は霊感とかスピリチュアル感覚とかが凡人より敏感で、人の考えている事もかなりわかるらしい。その直感から今回のキャンセルは'やめておけ'というサインかも知れないと思ったのだ。恭作もスピリチュアル事象は信じているし、若い頃は霊感も強い時期があったが、今は凡人並なので気にせず優子を励ました。


「大丈夫、俺がその運命を断ち切ってやる。マンションだってもっと良い物件が見つかるよ。いや、絶対俺が見つけ出してみせる」


優子はしばらく不機嫌だったが恭作は今までよりも更にネットを検索しまくった。そう簡単には同等の物件が出てこなかったが数週間後、恭作がいつもの様にネット検索しているとキャンセルを喰らったマンションと同じ名前の階数違いの物件を発見した。しかも競売物件なので前の物件より数百万円程安い。優子にすぐ連絡してその日の夕方2人で内見に行った。実際に行くと同じ系列のマンションなのだが、前の物件より徒歩で5分程駅から遠い。でも築年数は前の物件より浅くて綺麗だし9階で見晴らしも良く富士山が拝める。間取りも前回のものより良いし、ペットも飼えるとの事なので即決した。まあ駅から徒歩10分強だが競売物件という事もあって格安であり、トータルかなりの額を得してローン額もほぼ無くなり、2LDKもしくは3LDKとしても使えるし、猫もいずれは飼おうと喜んだ。そう言えば恭作が猫に夢中になったのもこの頃からで、元々猫好きだった優子の影響が大きい。


「神様はこっちのマンションの方が良いから、前のをキャンセルさせたんじゃない?」


U子は元気を取り戻し、引っ越し=夜逃げ(実際は朝逃げだったが)と離婚の計画を立てた。


-続く-

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