11.雨降って・・・
一方、恭作はというと連休なので前々から計画していた2泊3日での家族旅行に行っていた。恭作としてはこんな時に家族旅行なんてとても乗り気ではなかったが、稀な家族サービスなので仕方なく出かけて平静を装っていた。
恭作はゆっくりと温泉につかりながら優子との今後の事を真剣に考えていた。普通の浮気ならここでTHE ENDとなるのかもしれないし、彼女もそうなる事を1番恐れているんだろう。お互い配偶者もいるし、恭作には小学生と中学生の子供もいるんだからここで良い別れる機会が来たと考える方が普通なんだろう。このままこの恋愛を続けても会社上層部にはバレて出世もままならず、何処かに飛ばされる可能性もあるんだろうという事まで考えた。
しかし恭作の出した答えは、優子はどう考えても出逢うべくして出会った運命の人であり、別れるという選択肢は無いという事だ。妻のために死ねるかと問われれば正直NOだ。娘のために死ねるかと問われればYESだし、優子のために死ねるかでもYESだ。会社でのこれ以上の出世も望まないし、娘が成人、独立するまでの十数年は離婚、再婚はできないが、その後は優子と残りの人生を楽しむんだと決意した。(勿論優子がそれで良いのならという条件がつくが)その為にはどんな障害も乗り越えてやると心に誓った。ここで娘に対する感情を含めた親娘関係は父親として当然だし普通の事だと思っていたが、それにも理由がありその事が以後の優子との人生でキーポイントになっていくとはこの時夢にも思わなかった。
連休が終わり、恭作は優子にその決心内容を伝えた。
1.絶対別れない
2.社内ではなるべく個人的会話を控えてよそよそしくする
3.外でのデートは必ず遠出する
4.下の子供(娘)が成人、独立するまでは離婚できないがその後(12~3年後)一緒に暮らす
5.会社での自分の立場がどうなっても気にしない
これで仲直りした。この事により二人の関係は益々深まっていった。まさに「雨降って地固まる」だった。
-続く-




