10.アンジェラ
焼肉屋事件の後は工場にしては珍しい祝日絡みの3連休だった。熱処理炉を稼働する関係上祝日は基本的に出勤で土日は休み、盆と正月とゴールデンウィークは1週間程度の連休にするというスタイルなのだが年間休日調整のため年に1~2回祝日絡みの3連休があった。
優子は恭作からの電話を切った後泣き続け、翌日になっても気持ちが収まらないのでもう1人の親友アンジェラに会っていた。独身のアンジェラはシャチと同じく通信制の大学で知り合った仲でシャチより3歳、優子より10歳若く、優子が長女、シャチが次女、アンジェラが末っ子の という3姉妹の様な仲の良さだった。もちろん優子と恭作の関係については情報を共有する仲でもあった。既に3人とも通信制大学も卒業していたが、シャチは地方在住でしかも妊活成功による妊娠中だったので中々気軽に会えなかったのでアンジェラに相談したわけだ。ちなみにアンジェラというのは勿論あだ名で、元小説家である彼女のインテリっぽい雰囲気がアンジェラアキに似ていたのでシャチが命名した。ついでに優子の事はキャッツアイ3姉妹の長女という事で3人の中ではルイ姉と呼ばれていた。
「ねえ、アンジェラ!聞いてよ!ルパンとの仲が終わりそうなの」
「ルイ姉、何があったの?別れ話持ちかけられたの?」
優子は会社の宴会でルパンが仲間から不倫をバラされた事件の事を伝えた。
「ルイ姉さあ、じゃあ別れようって事じゃなくて、しばらく大っぴらに会わないで大人しくしてようって事じゃないの?」
「でも多分会わないでいるとそのままズルズルフェードアウトされちゃう気がするの。ルパンって結構会社では偉いポジションにいて、不倫がバレたら出世に響くから別れの良い機会だと考えてると思うの」
「それはあるかも知れないけど、今までの2人の話を聞いているとそんな事で別れないんじゃ無いかな」
「・・・・そうだと良いんだけど・・・・そもそも私達W不倫だからね、負い目もあるしね・・・」
「ルイ姉、ファイト‼︎ シャチなんか子供作ったけど不倫は続けるつもりだってよ」
「シャチはすごいよね。ウチなんてもう何ヶ月もダンナ=UMAの顔見てないよ。毎日帰って来てご飯は食べてるみたいだけど部屋に閉じこもったままなの。さすがにアタマ来ていてもう離婚しようかと思っている」
「えー!!ルパンとも別れるかも知れないのに!?」
「ルパンの事とダンナと別れたい事は関係ないよ。むしろルパンと付き合って楽しかったからUMAの食事の世話も我慢して出来ていたくらいだよ。ルパンと付き合って無かったらとっくに離婚してるね!」
優子はアンジェラと会って話をしたら少し気が晴れた。友達って良いよなとつくづく思った。
-続く-




