ep.7: 因縁の超人, 腐れ縁
生まれつき世界の常識を覆す力を持って生まれたトノは、神童ミュリアとの全面対決をしたが、トノの圧倒的な力の前にミュリアは絶望する。
「ふぅ。あぶねぇ」
「……っ!嘘でしょ?今のでも無理なの…?」
「いや、ダメージはしっかりとくらったよ。まぁ、くらった瞬間に回復魔法かけたけどね。」
「くっ…!トノの本気も見せなさいよ!あなたの本気を防いで、その自信無くしてやるわ!」
「…本当にいいのか?」
「いいから早く!」
「……行くぞ。豪雷!」
辺りに一斉に巨大な雷が落ちる。
ズゴォォォォォォォォォォオンッッ!!!!
バッゴォォォォォォォォォォンッ!!!!
ドゴォォォォォォォォオオオオンッッ!!!
その威力に耐えられずに地面が盛り上がり、巨大な亀裂が入る。地面は破裂し、中から溶岩が噴き出してくる。溶岩は龍の様にうねり、辺りを溶かしながら爆発していく。岩は降り注ぎ、火は燃え広がり、辺りは地獄絵図と化す。
「うそっ!ちょっと待って、それはやりすぎだって!足場がっ…ぁぁぁぁぁぁぁ!」
ミュリアが亀裂へと落ちていく。
「あ、やべ」
ーミュリア救出後ー
「ハァ…ハァハァ…っやりすぎよ!マグマが出てきたわ!3000キロくらいの深さの亀裂が入ったってことよ⁉︎」
「うーん…まだ全然全力じゃなかったんだけどな。今のは身をくらます程度に使おうと思ったんだが…」
「…はぁ?てかなんでトノは無事なの?」
「ん?まぁ無限結界張ってるからだけど?」
「じゃあなんでさっきの私の攻撃は効いたのよ」
「無限結界張ってたら可哀想だからな。」
「もう…どうなってるの…?」
「とりあえず模倣魔法で元通りにするか。」
キュインキュインキュイン…
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
「ふぅ。体育館も戻したし時間も流すか。時羅流」
すぅぅぅぅぅーっ
「うん。とりあえずあなたが正体を隠したい理由がわかったわ。そんな実力がバレたら普通には生きられないものね。」
「そういうことだ。しかも、親から止められてるしな」
「さて!そろそろさっきのテストの結果が出て、クラス分けがされる頃よ…って、時間止まってたから今はテスト終わった直後なのか。」
「そうだな。現実では1秒も経ってないからな。」
「どうする?ちょっとこの学校を探検でもしてみる?」
「…まぁいいけど。」
「やった!じゃあ校舎に戻りましょ!というか色々と聞きたいこともあるし。」
「あぁ、答えられることならいいよ」
「やった!」
ー校舎にてー
「んー…なんだかすごい視線を感じるなぁ」
「そりゃそうだろ。神童なんてなかなかお目にかかれないからな。みんな一目見たいんだろ」
「トノに言われてもあまり褒められてる気がしないけど…ていうか!この学校、私以外にも神童いるんだけど知ってる?」
「マジで?知らなかった」
「コンバーサスって言うんだけど…呼んでくるね!」
「えっ…ちょっと!」
ミュリアが走り去っていく。
(コンバーサスか…確かにあの炎夜は良かったからな。ミュリアほどではないけど世間的には強い部類に入るのかもな。まぁ性格ひん曲がってるけども!)
「連れてきたよー!」
「んだよミュリア、そんなに合わせたい人って誰だ…よ…っ!おい、この前のクソガキ!」
「えー?コン、もうトノのこと知ってるの?」
「あぁ。こいつマジで生意気だから気をつけた方がいい。」
「確かに!トノには気をつけたほうがいいよね!」
(お互いの気をつけた方がいいの意味が違うの面白いな)
トノは苦笑する。それをコンバーサスが見逃すはずもなく…
「テメェ今笑いやがったな?」
「笑ってないっすよ」
「うるせぇ!炎…」
「ちょっとやめてよ!会って早々喧嘩しないで!しかもコンじゃトノには勝てないから…」
「おい!」
「あ、そうだった!」
「おい、ミュリア。俺がこいつに勝てないって?何言ってるんだお前?」
「いや!間違えた!トノじゃコンには勝てないって言おうとしただけ!」
「そうだよ!俺じゃコンバーサス君には勝てないって!…よろしく。コンバーサス!」
「はぁ?お前馴れ馴れしく呼ぶんじゃねえよ!」
「ごめん、コンバーサス。」
「テメェ…覚えとけよ?」
次回:超人のクラス分け, 新天地へと