ep.5: 超人の友情, 差し込む光輝
前回のあらすじ:生まれつき世界の常識を覆す力を持って生まれたトノは、未成年ながらに階級、神になっている者に与えられる称号、神童を保持している女の子と出会う。
「ねぇねぇ!キミ!」
(…ん?)
「私ミュリアって言うんだけど、名前なんて言うの?」
「…インビクトゥス・トノです」
「私ずっとあなたのこと気になってたんだよね!」
「(神童か…少し注意しよう。)…なんで?」
「威嚇魔法で物理的なダメージまで入れられるってすごいじゃん!」
「おい黙れ」
「えー!なんでよ!教えてよ!」
「あれは俺じゃない!」
「嘘だよ!私を誰だと思ってるの!絶対にトノ君が…」
「やってない!」
「やった!だって威嚇魔法を撃った時特有のオーラが…」
「1回待て。時羅停」
すぅぅぅぅぅーっ
辺りの時間が止まる。
「え、嘘、時間魔法まで?」
「ああ。階級、賢以上には多分効かないけどな。」
「あぁー!惜しい!私、神なんだよね」
「知ってる。…それで本題に入ろうか。多分、君にはあの威嚇事件の犯人がわかっているだろうね。」
「うん。トノ君でしょ?」
「でも俺は魔気0.2だった。なのになぜまだそう思う?」
「いや、魔眼で」
「あぁ、魔眼が使えるのか?(…コイツ思ってたよりできるな)」
魔眼とは、生まれつきで発動していない限り使えない、"目"に特化したサポート魔法であり、魔眼を使用すると相手の実力、相手が次に取ろうとしている行動を視ることができたり、他にもさまざまな効果がある。先ほどミュリアが言ったオーラもそのうちの1つだ。
「使えるよ!」
「……まぁ、それはわかったんだけど、とりあえず俺の正体は秘密にしててほしいんだよ。」
「うん、いいよ。」
「いいのか⁉︎」
「そのかわり、威嚇魔法教えてね」
「…わかった。」
こうして初めての友達、ミュリアと出会ったのだった。
「よし!次は魔気質測定テストだ!まずはアミークス!」
ブオオオオオオオオオオオン
「92点だ!」
「次、インビクトゥスだ!総量はあまりなかったが、魔気の質がいいのか⁉︎」
「…やりました。」
「おぉ!やったか!相変わらず気付けんな。」
「何点ですか?」
「……4点だ。どうなってるんだ⁉︎」
「だから言ってるでしょう。僕は本当に威嚇魔法は撃ってないんですよ!そろそろいい加減にしてください。」
「……すまん。次!エンクール!」
「…はい。」
バコオオオオオオオオオオオオン!!!
「…おぉ!また100点だ!流石だな!次!」
ミュリアが走り寄ってくる。
「ねぇ?トノ?今の何?」
「ん?魔力制御って言うんだよ。」
「そのくらいは知ってるよ!でもいくら魔力制御でも魔力の質は変えられないでしょ?だから、魔力を出した時点でトノなら100点行くと思ったんだけど…」
「あー…まあミュリアならいいか。俺の魔力制御は質までコントロールできるんだ。」
「へぇー………え?」
ミュリアが固まる。
「今なんて?」
「いやだから、質までコントロールできるって…」
「いやいやいや!おかしいでしょ!そんなの聞いたことないよ⁉︎」
「あ、そうなんだ(普通がよくわからんな)」
ここでミュリアが何かを思いつく。
「ねぇ?トノ?」
「なに」
「ちょっとテストの後体育館来て」
「…いいけど」
次回:超人の本気,計らずも