ep.2: 超人の魔気階級, 見性自覚の時
前回のあらすじ:生まれつき世界の常識を覆す力を持って生まれたトノは、上から威、賢、神、栄、鬼、強、弱、微に分けられる魔気階級の中でも世界に5人しかいない、威レベルの拘束魔法を0歳で発動した。
ー5年後ー
ビィィィィィィィィァァギギギギン!
バキバキバキ!
ドッゴォォォォォォォォォォオオオオオオオン!!!
「…ふう。今日のノルマは達成したし、あとはゴロゴロして過ごそうっと。」
「おう、トノ。終わったか。」
「終わったよ。……あぁ、そういえば父さん、1ついい?」
「なんだ?魔法のことはもうお前の方が圧倒的に上だが、それ以外のことなら答えられるぞ。」
「うん…。それが、最近思い始めてるんだけど…」
「うん?」
「僕は何のために魔法を練習しているのかなぁって思って。正直、こんな拘束魔法とか日常で使うことないし…」
「まぁその反応は当然だが…全ての原因はお前にあるんだよ、トノ。」
パレントは苦笑する。
「ん?どういうこと?もったいぶらずに教えてよ!」
「まず前提として、普通はお前のように魔気を制御したりはできないんだよ。だからみんな日頃から魔気を放出しながら生きている。そしてその漏れ出した魔気が実体となったディアボルという生き物が世の中には蔓延っているんだ。そのディアボルという生き物との戦闘は日常生活を送るにあたって避けられない障害となっているんだが…」
「でも僕は1回もディアボルを見たことないけど?」
「そうなんだよ。この話はここからで、お前は日頃は魔気を制御しているが、1日に約3時間ほど訓練をするだろう?」
「うん。」
「その時に放出する魔気が強すぎて、この辺りの土地自体が魔気反発を起こしているんだ。だから、この辺りにはディアボルは出現しない、これが理由だ。」
「なるほど。じゃあなんで父さんは無事なの?」
「私は、こう見えて魔気階級が栄なんだよ。だから魔気でやられるということはないんだ。あと世の中にはディアボルだけでなく、その1つ上のディアボルト、もう1つ上のディアスボリスまでいるんだが、ディアボル1匹出るだけで魔気階級、強が3人ほど必要になってくる。」
「ふーん…じゃあ僕の魔気階級は何なのかな?」
「確かに気になるだろう。お前の魔気階級は…」
「……」
「威だ。」
「………ん?ごめん、聞き間違いかもしれない。もう1回言ってもらっていい?」
「なんだよ。しっかりと聞いとけよ?お前の魔気階級は、威だ。」
「威って1番上の威?」
「あぁ。世界に5人しかいない威だ。」
「………いやいやいやっ!そんなわけないでしょ!僕まだ3歳だよ?」
「確かにそうだ!それを考慮していなかった!」
「そうだよね。流石にないよね。」
「それを含めたら…威だな。」
「なんでだよっ!」
「逆にそれ以外何があるんだよ!0歳で魔気が発現している時点でよくわからないのに全ての魔法が使えるって?そろそろ自分の実力を自覚しろ!」
「……わかった。でもそのディアボルとかに勝てるようにもっともっと特訓しないとな。あ、なら父さん」
「どうした?」
「新しい魔法を創ったんだよね。見てて。神威っ‼︎」
バゴォォォォォオオオオオッッッッ‼︎
「……もうよく分からん。」
次回:超人の入学式,我の先へ