私の友達、その名は黒ちゃん
ただいまー、私は小学校三年生の花子。
私の一番の友達は黒ちゃん。
とても黒くて小さくて可愛いの。
大の仲良しなんだよ。
でもね、ママは犬や猫を飼ってあげるから、
それは捨てなさいなんて言うの。
酷いでしょ。だって私学校で友達居ないから、
黒ちゃんだけが私の友達なんだよ。
以前は友達が居て、遊びに来た時に黒ちゃんを紹介したら、青ざめた顔をして逃げるように帰っちゃったの。
それから、その子とは疎遠になっちゃった。
だから、私の楽しみは黒ちゃんと遊ぶ事なんだ。
手の甲に乗せるとチョコチョコ歩いて可愛いの。
今度リボンでも付けてあげようかな?
そんなある日、黒ちゃんを手の甲に乗せて遊んでいると、ママが部屋に入って来たの。
そして、怖い顔をして私に言ったの。
「もう、ママ限界なの、ツルツルの黒光りする姿は苦手なのよ、せめて毛が生えてる動物にして頂戴。」
私は手の甲に乗っているゴキブリを見て、
何で黒ちゃんは毛が生えていないのと尋ねた。