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117.初心と初心の大浴場(3)


俺と同い年くらいだと思ってたホンファは、3つも歳下(としした)だった。


見えない。


15歳、日本で言えば中3。


にしては、大人(おとな)びている。


しかも、あと4日で16歳で、俺の(そば)にって?


護衛(ごえい)で同行しているイーリンさんとメイユイを見たら、にこやかに「よろしくね」などと、ホンファに言っている。


ホンファの母親のリンシンさんもニコニコしてて、イーリンさんとメイユイに頭を下げたりしてる。


――ふ、増えるんだ……。


そ、そうですよね。人間、(とし)をとりますよね。「マレビトに純潔(じゅんけつ)(ささ)げてよいのは16歳から」と、以前ツイファさんに教えてもらった。


正直、大浴場(ハーレム風呂)に来てくれる純潔(じゅんけつ)乙女(おとめ)たちの中で、まだ顔と名前の一致(いっち)していない()もいる。


()(くさ)いのもあるけど、【純潔(じゅんけつ)乙女(おとめ)身体(からだ)(さあ)げ、子種(こだね)(さず)かる】というシキタリに対して、一向(いっこう)()()()にならない俺が、自分から話しかけるのもどうかと思って、そのままになってる。


結果、まだちゃんと話したことないのに全裸を知ってる()が、服着て歩いてるのを見かけて、ひとり赤面(せきめん)することもしばしばだ。


――そこに、ひとり増える、……だと。


今まで、大浴場(ハーレム風呂)全裸(ぜんら)で出会って、後から服着てる姿を見て、むしろ()れるというパターンだったけど……、ついに逆パターンが。


この古代中国風異世界の女性は、チャイナドレス風味(ふうみ)のファンタジーなドレスを着てるのが普通で、ボディラインがハッキリ分かる。


それに、ホンファの着てるドレスの(たけ)が短い上にスリットまで入ってて、(あし)はつけ()まで丸見えだ。


当然のように、目の前で(ほほ)を赤らめるホンファの全裸(ぜんら)を、(のう)勝手(かって)想像(イメージ)して俺に提出(ていしゅつ)してくる。


――うわぁ。やめて、やめて! 今、やめて!


リンシンさんと話し()みそうになるメイユイを()かすようにして、俺はその場を足早(あしばや)()()った。


……4日後かぁ。


と、なんだか楽しみにしてるような考えが()かぶのも、健全(けんぜん)な男子として仕方(しかた)がない。仕方がないけど、顔は赤らむ。


「待ってくださいよぉ!」


と、メイユイが追いかけてくる。


大人(おとな)びて見えたホンファを最初、()()()()誤解(ごかい)した目で見てたことも()ずかしいし、クゥアイやミンユーよりも年下で、これから大浴場(ハーレム風呂)(くわ)わるというのも、気恥(きは)ずかしい。


なんとなくイーリンさんやメイユイに顔を見られたくなくて、どんどん早足(はやあし)になってしまう。


日没(にちぼつ)の直前まで、ホンファのことを考えてしまっていたけど、さすがに日没と同時に気持ちが()()わった。


早速、連弩兵(れんどへい)が4名、実戦(じっせん)投入(とうにゅう)されていた。小隊の中でサポート役になる槍兵(やりへい)には、クゥアイが加わっている。


連弩(れんど)(もち)いた初めての実戦に、槍兵の中で最も強いクゥアイが入るのは当然(とうぜん)編成(へんせい)だった。


望楼(ぼうろう)から城壁の向こう(がわ)は見えないけど、連弩兵(れんどへい)短弓兵(たんきゅうへい)とほぼ変わらないパフォーマンスを発揮(はっき)できているように見えた。


もちろん、最も短弓(たんきゅう)熟達(じゅくたつ)したミンユーには(おと)る。けど、平均的(へいきんてき)短弓兵(たんきゅうへい)には負けてない。


――いける。


連弩兵(れんどへい)戦力(せんりょく)として(かぞ)えられるなら、兵士団(へいしだん)全面展開(ぜんめんてんかい)一気(いっき)現実味(げんじつみ)()びる。


クゥアイの背中は、変わらず(たの)もしい。初めて投入(とうにゅう)される連弩兵(れんどへい)との連携(れんけい)は、(おそ)らくこれまでとは勝手(かって)(ちが)うはずなのに安定感(あんていかん)()らぎがない。


連弩兵(れんどへい)(がわ)も、クゥアイの槍が(ひか)えていることで安心できているのではないか。


――ぷにぃ(上)。


そのクゥアイ()が、俺の背中で(すべ)っている。


――ぷにぃぃ(下)。


()れたのか、少し丁寧(ていねい)さが()してる気もする。


――ぷにぃ(上)。


あの()()まったお(なか)も、背中を滑っていく。


――ぷにぃぃ(下)。


ホンファの(ふく)らみも同じくらいだったよなとか、()()思ってしまう。


――ぷにぃ(上)。


いかん、いかん。なんか、いかん。


クゥアイ()で、ほかの()()想像(そうぞう)するなんて、なんか、いかんですよ――。



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