第1
お久しぶりです。またよろしくお願いします。
" 人間らしく生きようとしたのがミスでした。"
私は自分で言うのもなんだが、裕福な家庭で育った。家には、常に最新のものが揃う家だ。色付きのテレビは町一番に買ったし、海外からパイナップルと言う果実も町一番に食べた。そんな何不自由なく私はこの軽井沢で過ごしていった。
私は生まれこそ東京だったものの、戦争の影響もあり、東京から離れて軽井沢へと越した。確か、その頃私は11だった。まだ幼く、ただ軽井沢へ越すとしか知らなかったのだ。
戦争が終わり、日本が好景気になり始めた頃私は21ばかりなる男になっていた。私は軽井沢を出て、また東京へ住み、今は大学に通っている。最近は父や母から、「想イ人ハ見ツカッタカ?」や
「早ク孫ノ顔ガ見タイ」などの手紙が送られて来る、その手紙が来る度私は「モウ少シ、オ待チクダサイ。コノ研究ガ終ワリ次第、ソチラヘ想イ人ヲ連レテユキマス。」といもしない想い人の事を書き、軽井沢に残っている父や母に返事をしていた。実際に想い人は欲しいが、作る暇がないのだ。
大学で私はかなりの良い成績を出していた。教授からは模範生だとか、日本の未来だとかよく言われていた。
ある日、大学にて講義へ向かう際に一人の女性とすれ違った。あの人はただ美しかった。名前も、何も知らないが美しかった、一目惚れとはこの事かと思った。
私は、決めた。彼女に好かれる人間になってやると、正義の塊になろうと。そう思うと私の中の何か変わったような気がした。
これからも頑張りたいです。