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約束のオルゴール  作者: mutsu!
5/6

第五話

感想が欲しい(ΦωΦ)

(/ω\)

誰かー! くれくれー! 下され~(/ω\)

「むー」


 あはは……むくれてるなー。林檎ちゃん。

 私達は今部室にいる。くらげちゃんが部活動の立ち上げ交渉をして準備してくれた私達の部活の拠点になる部屋だ。簡単な折りたたみテーブルと椅子だけがあって、お茶を飲みながら一息ついていたところにひとりの少女がやってきたのだ。それが林檎ちゃん。ショートボブの可愛い女の子だ。チャームポイントはぴょこんと伸びたアホ毛で、今回やっと本編初登場となる最後の幼馴染だ。


「もうそろそろ機嫌直せよ、林檎ぉ……」

「昨日はさー、先輩が来てくれるの楽しみにしてたのにさー? みんなしてわたし抜きで楽しそうなことしてさー?」

「だから、すまんって」

「まあ、風邪をひくやつが悪いわね」

「ブー」


 とは言え、くらげちゃんもなんとなくバツが悪そうだ。というのも結局、昨日は叔父さんの所から林檎ちゃんの家には行かずにみんなで私の家に来ることになった。未発表曲の件でひいおじいちゃんの書斎を調べていて、気づいた時にはもう結構な時間だったのだ。そんなわけで林檎ちゃんのとこに行くのは諦めたって経緯。もちろん故人の部屋であっても勝手にひっくり返すのはマナー違反だから、お母さんに許可はとったよ? あとちゃんと片付けもした。


「……もう、わかりました! くらげお姉ちゃんに免じて今回は免罪するです! 先輩? 今度何か埋め合わせして下さいね!」

「……わかったよ!」


 仕方ないな、とばかりに林檎ちゃんの許しが出たんだけど……ケーキ食べ放題とか巨大パフェアイスマシマシとか呟いている。うん。のっけちゃんのお財布が心配である。


「ホントにプンプンです! それにしても惜しかったですねー? 先輩? 超レアだったですよ? 激レア! わたしが風邪をひくなんて滅多にないんですよ? 想像してみると良いです!」


 あ、なんか両手を胸の前で組み出した。これは林檎ちゃんオンステージ、だな。動きがなんか艶めかしい。


「嗚呼! ベッドに横たわるアツっぽい美少女! そしてお見舞いに来た彼氏、潤む瞳っ……シチュ的におでこに『ちゅ〜』くらいあったかもしれないのに、残念でした!」

「なん……だと……!?」


 舞台役者の様に天を仰ぎ、オーバーアクションで、もしかしたらあったかもしれない未来を口にする林檎ちゃん。


「過ぎたるは及ばざるが如しよっ! ……でぇす!!」


 最後はくるりと回って横ピース! キメ顔でポーズでドヤっている、んだけど……。


「花村さん、なんとなく言いたいことは解るんだけどさ、それ……『ネツっぽい』だし、そこは覆水盆に返らずだと思うんだ……?」

「ふぐぅっ!」


 だよねー……。千里ちゃんがおずおずと的確に、でも容赦なく突っ込んでくれたよ。


「千里……スルーしてやれ。林檎だし……。美少女を自称した挙句、なんかセーラーで戦士でアレな感じに横ピースまで決めたのに……。ほら見ろ……アホ毛の自称美少女が羞恥でプルプルしてるじゃない」


 くらげちゃんが上手いこと韻を踏みながら総括をする。


「うっ! くらげお姉ちゃん、めっちゃ丁寧な描写でトドメをありがとうございます!」


 林檎ちゃんどんまい。なんて思ったところで一つ疑問が出てきた。


「あれ? のっけちゃん達って付き合い始めてもう、半年近くならなかったっけ?」


 私はまだ誰か異性と付き合った事とかが残念ながら(誠に遺憾ながら)ないから(血涙っ)わからないけど、半年も付き合ってたらちゅーくらいはしてるんじゃないのだろうか?


「まだ、手しか繋がせてもらってないんだよ」

「清く正しく美しく、がモットーですから!」


 なるほど、……高校生としてはそんなものなのかな? とか思っていると千里ちゃんのツッコミが決まった。


「え? あれだけ毎朝迎えに行って……それってただの目覚まし代わりなんじゃ?」

「ぐはぁ!」

「我が弟ながら、なんてチキンな……」

「ぐっふぅ!」


 あ、のっけちゃんが四つん這いだ。


「……ていうか今更なんだけど、林檎ちゃん、高等部の部室に来てて大丈夫なの?」


 そういえば林檎ちゃんは一つ年下だから、まだ中等部なんだよね。


「あ、それは大丈夫です! この学校、クラブは中等部も高等部も共通参加可能なんですよ!」

「ふぇ? そうなの?」

「ああ、うん。それは間違ってないよ。卓球とかバドミントンなんかの一部を除いた運動系は危険だからって別けられてるけどね」


 千里ちゃんが補足の説明をしてくれて、嬉しくなった私達は両手を取って飛び跳ねる。


「おお〜! じゃあまた一緒に部活できるね!」

「はい! 穂乃花先輩! 今年度もよろしくなのです!」


 その横で四つん這いのまま立ち直れずにいたのっけちゃんがこっちを見ている。仲間になりたいんだろうか?


「林檎……」


 よっぽどおでこにチューが欲しかったんだろう。その顔が物語っているな。


「心之介……僕で良かったらおでこにちゅーくらいならしてあげようか?」

「そうね! それくらいならお姉ちゃんもしてあげるわよ?」

「デコピンで良ければ……」

「いらねーよ! つか、最後のはなんだよ!」

四月の華企画

https://youtube.com/playlist?list=PLVSUz-V5BkITM3senuDz0Qv2WAncCDZxy


こちらで同作品の声劇を公開しています。専門学校の学生さんが一生懸命演じてくれていて、演者には二人ほどプロも参加して下さっています。

 作者も泣かされた素敵な演技を見に来てやって下さい(*⁰▿⁰*)


チャンネル登録とイイネ♪ もよろしくお願いします。

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