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約束のオルゴール  作者: mutsu!
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第一話

 はじめまして。四月の華企画、脚本担当のmutsu!と申します。

 ほとんど初めて書く小説なのでまだまだ拙い作品ですが、気に入って頂けましたら嬉しく思います。

 感想、ブックマーク、誤字報告。よろしくお願いします。

In time is keeps falling,

(砂時計の砂が落ちる様に……)


We can't stop falling in love.

(僕たちは恋に落ちていった)


Coz' you gave me the meanings in my life.

(君が僕に生きる意味と、大切な意味を教えてくれたから)


And we are still――

(きっと僕たちは今も落ち続けている

 恋に……落ち続けていく___)



 あれ? 見慣れたリビングのテーブルがなんだか少し大きく見えるぞ?


「ねぇ、おかあさん。これはなぁに?」


 記憶よりもだいぶと小さな私の手が四角い木の箱を持ち上げた。

 ……あ、これ小さい時の夢だ。舌ったらずな言葉でちっちゃい私がしゃべってる。


「これはねぇ、オルゴールって言うのよ?」

「おる、ごーる??」

「そう、オルゴール。おじいちゃん……穂乃花からしたらひいおじいちゃんね。その形見なんだけど......ほら、裏にネジまきがあるでしょ? 本当はそれを回したら音楽が鳴るの……」

「へー! きいてみたい! ほのかがまわしてもいい?」

「う〜ん、壊れちゃっててね? 鳴らないんだ」

「おるごーるさん、しんじゃったの?」

「ふふ、生きてるよ。でも少しお熱が出てるの。……そうね、いつか穂乃花が大きくなったら治してあげてもらえるかな?」

「えー、おるごーるさん、だいじょうぶかなぁ? ほのかがおおきくなるまえに、しんじゃわないかなぁ……?」

「きっと大丈夫。だからほら、早く大きくなって治してあげられるように、もうお布団に入って寝なさい? ちゃんと寝ないと大きくなれないよ?」

「はーい! わかったー! おるごーるさん、ほのか、はやくおおきくなってなおしてあげるから、まっててね!」


……ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ。


「……んむむむ。うーん……あと五時間……」

「五分じゃないんだ! ……って、穂乃花ちゃん。穂乃花ちゃんの寝顔を見てるのは飽きないんだけど、そろそろ起きないと遅刻するよ? 今日は入学式じゃなかったっけ? もうすぐ八時」


 もうすぐ八時っていうお母さんの暢んびりした声に、もにゅもにゅしてた目が一気に醒める。お布団をガバっとやった。


「え? えぇっ!?」

「おはよう♪」

「おは……って、えぇっ! うそ! うわぁぁ! やばい! 着替えなきゃーっ!」


 ベッドから跳ね起きて階段を駆け降りる途中、


「そんなに慌てたら、階段落っこちちゃうよー?」


 相変わらず暢んびりなお母さんと


「お母さーん! 朝ごはん出来てるー?」

「テーブルにパンを置いてあるから、食べながら行きなさい」

「はーい!」


 そんな応酬をしながら用意をしてパンをくわえながら家を飛び出したのだ。

 それで、ばいーん!

 ……うん、さっき階段を降りてる時にお母さんがぼそっと言ってた「あ、フラグ立てちゃった」の意味がわかったよ。あっはっは!


「あいたたた。……って穂乃花? 大丈夫??」

「ふえぇーん、くらげぇ、前髪がジャム塗れだよぉ〜……」

「くらげ言うな。あたしの名前はみつきだ! 海と月って書いてみつき!」


 おしりを摩りながらなんとか立ち上がる私。ぶつかられた被害者だというのに先に立ち上がって手を差し出してくれている優しい女の子は斎藤海月ちゃん。つっけんどんな喋り口調の幼馴染だ。現代版日本人形と言った風体の黒髪ロングのスレンダーな美少女で、パンを加えた私が曲がり角のところでぶつかってしまった。漫画か!


「高校生になってまでくらげ言われるのとか勘弁してくれ」

「えぇ〜……、くらげはくらげだよー? だってほら! 海の満月がふよふよぉ〜っと、ここにも二つ」

「っきゃー!!」

「ふっふっふー。今日もゲットしました! くらげちゃんのいちきゃー!」


 ぱいんっとタッチで揉みしだいてやった。ふむ、良きサイズにフィット感。素晴らしい触り心地に私は……涙が出そうなんだよ……。なんで私には無いんだろう……断崖絶壁すっとんとん。いや、私もまだまだ成長期! 諦めるな私!


「穂乃花? グーかゲンコツか、コブシか、どれが良い??」あ、やばい。死んだ目をしてる場合じゃない。

「どれもグーじゃん、ふぐぁっ!?」


 言い終わるか終わらないかのタイミングで垂直に落ちて来た。グーが……。めっちゃ痛い。


「おおぅ……、くらげなのに、ガッチガチだぜぇ……」

「……ったく、あんたのせいであたしのブレザーまでジャム塗れだっての! つか、なんで朝からそんなわっかりやすいフラグぶっ立ててぶつかるのがあたしなんだ? ここは美少年とかにぶつかるシーンなんじゃないの?」

「あはは、ごめんね。後でクリーニング代……」

「いーらーなーいー。知ってるでしょ? あたしんちクリーニング屋だし。帰ってすぐにお母さんに渡せば夕方には終わるからね。……んー、まあ、もし気になるんだったら、そうね。またウチに来て顔を見せてやってよ。お母さん、穂乃花が来たら喜ぶし」


 くらげちゃんのお母さん、佳乃さんと私のお母さんは学生時代からの親友で、佳乃さん曰く私は昔のお母さんとものすごく似ているらしい。


「……それよりほら、こっち顔出しな。拭いてやっから」

「えへへ〜。やっぱりくらげは優しいね〜。おんなじ学校に来れて良かったよー」

「はいはい、あたしは手間掛かってしかたないけどな。ほら目、瞑って」

「ん。」


 くらげちゃんは背が高いから、目を瞑って少し背伸びをした。なんかこの体制、キスをねだってるみたいなだなー、とか百合百合しいことを考えていたら


「お前ら、なに朝からイチャついてんだ? 早く行かねーと校門しまっちまうぞ?」


 いつの間にかスタスタと近くまで来ていたもう一人の幼馴染に突っ込まれた。


「ほぇ? あ、のっけちゃん。おはよ」


 斎藤心之介くん。しんのすけ、のすけ、のっけ、でのっけちゃん。くらげちゃんの双子の弟登場。細マッチョなイケメンである。


「ん? あー、なんだ心之介か。あんた林檎を迎えに行ったんじゃなかったの?」

「あー、アイツなんか風邪ひいたらしいわ。今日はガッコ休むって」

「へー、……珍しいこともあるのね」

「あー、めちゃくちゃ悔しがってたな。どうせならフルで授業の日だったら良かったのにって」

「あはは。あの子らしいわ。つか、あんたネクタイ忘れてたでしょ? はい、これ」

「お、さんきゅー、姉ちゃん」

「……うん。背が高くてスタイル抜群の美男美女の双子とか、ずるいと思うの」

「えっ? は? え? なに? 急に??」


 くらげちゃんが怪訝な表情でこっちを見てくるけど、わたしの目は既に死んでいる。


「うん! ただの羨望混じりの説明台詞だよ!」



四月の華企画

https://youtube.com/playlist?list=PLVSUz-V5BkITM3senuDz0Qv2WAncCDZxy


 こちらで同作品の声劇を公開しています。専門学校の学生さんが一生懸命演じてくれていて、演者には二人ほどプロも参加して下さっています。

 作者も泣かされた素敵な演技を見に来てやって下さい(*⁰▿⁰*)


チャンネル登録とイイネ♪ もよろしくお願いします。

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