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第7話 嫌な予感

 美也がこぼしたコーヒーを布巾で掃除していると僕のスマホが鳴った。

 着信の番号に見覚えはない。

 というか、僕のスマホの電話帳には父さんと母さんと年末のバイト先の電話番号しか登録してない。

 ワン切りかなにかと思って放置していたんだけど、いつまで経っても切れないので出てみた。

 すると、電話に出た相手は懐かしい声だった。


「よう、真守、久しぶりだな」


 その声は、僕の中学の時のダチの岡山だった。

 勉強のライバルで、僕がいつもテストの点数で上回っていたのでいつも悔しがっている顔しか覚えていない。


「久しぶりだな。どうしたんだ? っていうか、僕のスマホの番号をどうやって調べた?」

「お前の家に電話したら、お母さんが教えてくれた」


 うちの家の情報セキュリティーはガバだった。

 岡山だったからいいものの、詐欺業者だったどうするんだよ。

 あとで厳重抗議をしなくては……。

 岡山は話を切り出した。


「いきなり本題に入るけどすまん。11日の成人式は出るんだよな?」

「その予定だけど?」

「成人式前にちょっと話したいことがあるんだけど、いいかな? 時間は取らせない。5分ぐらいでいいので、頼む」

「いいけど」


 今更なんの話があるんだろう?

 向こうから連絡を取ってくるってことは嫌な予感しかしない。

 きっと俺よりもいい大学に行ったことでも自慢したいんだろうか?

 僕は美也との二人の成人式を堪能したいのに。

 噂じゃ日本で二番目の学力の京都大学に行ってるらしいしな。

 僕が本命にしていて落ちた大学で、僕の大学よりも遥かに格上の大学だ。

 きっと僕を見下したいんだろう。

 気はのらないんだけど、久しぶりということで会ってみることにした。


 僕はこの甘い判断を後に後悔することになった。

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