山の上
オグズとショッカは山の上でソウルグラフィーを使った。
空に浮かぶ半径500メートルの球体が、ソウルグラフィーにつながれたタブレットに映し出された。
「なんて言ってるんだ」
「この星を見守っていると言ってるよ。もう45億年もいるんだって」
オグズがタブレットを覗くとギョッとした表情になった。
球体がショッカの身体の中に入っていくのが見えた。
「久しぶりだ良い身体だ。人間の肉体はいいねえ。たまには」
ショッカが普段の声色とは全く違う声で言った。
ショッカの肉体が膨張し、筋肉が盛り上がり、1メートル70センチだったショッカの身長は、300メートルになり、8枚の翼が生えた。
「ちょっと行ってくるわ」
別の存在になったショッカは、翼を広げ、空に舞い上がり消えていった。
惑星ウルカの外に出たショッカは、宇宙を漂った。
「俺の身体を返してくれないか」
ショッカは自分の身体を乗っ取った何かに伝えた。
「まあもう少し貸してくれや」
何かが言った。
ショッカは、自分の身体が乗っ取られているのが嫌だったので、自力で何かを身体から追い出したが、追い出した瞬間、体が人間の身体に戻ってしまい、宇宙空間の中では息ができず苦しくて悶えた。
そこに宇宙船が通りかかり、ショッカを助けてくれた。