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はじまり
大地が割れ、数多の叫びと歓喜の声の中にあなたを見出した。あなたに会えてうれしく思う。それを地上の楽園と呼ぶのなら、私はいさぎよく永遠の闇の中に身を隠すとしよう。
では、あなたはこの星と銀河をあきらめるのですね。
私の問いに、あなたはいつまでも沈黙を守った。
あなたの胸を貫いた剣の感触と、滴り落ちるあなたの赤い体液が、色鮮やかに私の目に焼き付いている。
あれはもう幾年も前のことか。あれからたくさんの星が流れ、生まれ死んでいった。
神々は宇宙をあきらめ、いずこかへ消えた。
もうこの星を守る者はいない。滅びの時は近づいている。人間どもよ。絶望に打ちひしがれ、泣き叫ぶがいい。見たこともない地獄が、お前たちを待っているだろう。地獄の快楽を味わうがいい。天国の嘘と悲しみに別れを告げて。