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彼女はいつも彼を見ている。

作者: 小倉桜

思いついてから勢いで書きました。

楽しんでいただけたら嬉しいです。

 気が付いたら、私はいつも彼を目で追っていた。

 授業中もぼーっとしていて、ふと気が付くと彼のことを見ていた。


 彼はイケメンで、スポーツ万能で、成績も十位以内とかなり頭がいい。

 そんなすべてが完璧の彼。性格までもが完璧だった。


 誰にでも優しく、クラスで孤立している子にも声を掛け、仲良くなってしまう。

 男子からも女子からも好かれる男の子だった。


 そんな彼との出会いは入学式。

 小さい頃に両親を亡くし、祖父母の家で育った私は、高校に入って一人暮らしをし始めた。慣れない生活のせいか、寝坊をしてしまった私は学校に向かって全力で走った。

 そして私は、十字路を飛び出してしまい、人とぶつかってしまう。

 その時の相手が彼だ。


 制服はこれから向かう学校の物だったし、向かう先はもちろん一緒だった。

 彼も寝坊をして遅刻しそうになって走ってきたということをその時に聞いた。


 そのままいつの間にか仲良くなって、周りからはカップルと呼ばれるようになっていた。

 そんなことはないと否定してもすぐに嘘だなどと言われる日々。

 ちょっとめんどうになった私は彼と話し合ってしばらくお互いに近づかないことにした。


 それがいけなかったのかな。

 私は気が付くと彼を目で追っていた。

 これは運命だ。そう考えるようになり、もやもやする日々。


 体育の時も、国語も数学も社会も理科も。

 放課後にいつもどこに行くかだってわかっちゃう。


 なんかストーカーみたいだな、私。

 このままじゃダメだ。また、しゃべりたい。

 告白するしかない。 


 それからはいつ声を掛けようかと迷う日々が続いた。

 自分からしばらく近づかないようにしようと言ったくせに、告白って私は何様なんだろうか。

 でもきっと彼なら許してくれる。そう思う。


 今日も彼の笑顔は輝く。

 そんな彼の笑顔にドキッと胸が高鳴った。


 そして私はついに彼を屋上に呼び出すことに成功した。

 先に屋上に来ていた彼の元に、私は近づいて行った。


 息を吸って、止めた。そして――















 ――胸を包丁で突き刺した。

 

 お父さん、お母さん。

 敵は取るよ。



 まずは、息子。

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