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イージモードorハードモード?

前回より少し時間が空いて申し訳ありません。

先週から仕事量が半端無くて投稿時間が取れませんでした。


時間は空いても投稿頑張りますのでよろしくお願いします。

「ほれほれ、さっさと出てこんか?ほかの子供達は先に出て待っておるぞ。」


隠し通路の出口で手招きする爺。


「おいおい、あまり大きな声を出すんじゃねぇよ。敵が近くに居るのを忘れやがったのか?この耄碌爺が!」


「これ、小僧声が大きいぞぃ・・・?」


くっ、爺に思わず突っ込んでしまい今言ったばかりの言葉を自分に戒める。


「くそっ、ミイラ取りがミイラになりやがる・・・。」


「ほれ、さっさと子供達を連れて町まで急ぐのじゃ。ワシらも死ぬつもりなぞ毛頭ないわい。

適当に時間を稼いだらさっさと逃げて町で落ち合うとしよう。」


「本気で言ってんだな?

迎えに来ねぇとガキ共の面倒なんて俺は御免だからさっさと旅の続きにでるからな?」


「あぁ、お主との約束は子供達を村から町まで送り届けることじゃ。

正式な以来じゃ無いから失敗してもなんらペナルティはないぞよ?」


「くそ、言ってくれるじゃねぇか・・・。」


だが、正直現状の俺では戦力になるはずも無く、ここに残っても足手まといにしかならねぇ。

大人しく子供(ガキ)達を連れてとっととオサラバする事にした。


「じいちゃん、一緒に逃げようよー。」


「長老様、こんな奴信用しちゃ駄目です!」


「出口は魔法で破壊すれば・・・。」


どうやら、本気でガキ共は俺と行くのが嫌らしい。


「いくら取引と言っても、嫌がって騒ぐようなら森の中に捨てていくぞ?」


そう言ってガキ共を睨むと、泣きそうになりながらも手に手に荷物を持ち始める。


その様子を確認して、爺に最後の挨拶をしようとした時だった。

振り向こうとしたその背中に衝撃が走る。


「くっ・・・。ぬかったわぃ・・・。」


攻撃されたのか・・・?

いや、鈍い痛みはあるものの攻撃を受けたわけではない。


振り返った目にはその理由が嫌でもわかった。


「じ、爺なにしやがる!!!」


そう、糞爺は俺を突き飛ばしたのだ。


「ほれ、さっさといか・・・ぬか・・・。」


爺は息も絶え絶えに言葉を紡ぐ。


「ワシも耄碌したもん・・・じゃ・・・。」


爺の胸から手が突き出ていた。


人の胸から手が生えるなんて聞いた事もない。


見れば当然爺より二周り程背の高い奴がニタニタと笑っている。


「※※※ ※※※※ ※※※※※※ 」


なんだ?意味の解らない言葉を話し始める。


「知らん!ワシ等は何も知らん!」


爺はその言葉が理解出来ているのか、なにやら否定をしているようだ。

ガキ共は恐怖に怯えへたり込んでいる。


「糞ガキ共!爺の犠牲を無駄にするんじゃねぇ!さっさと行くぞ!」


一番小さいガキのくびすじを掴み他の餓鬼共に激を飛ばす。


「ひぃぃ!」


「やーやーやー!」


「じいちゃーん!」


「騒ぐなら、ここで爺の願いを無視して一緒に死ぬんだな!」


そう睨みつけると、餓鬼共も観念したのか一斉に走り始める。


「爺、短い付き合いだったが俺は勝算の無い戦いに首を突っ込む程お人好しじゃねぇんでな・・・。」


そう言うと、爺の返事も聞かず餓鬼共の後を追って走り始める。


次第に得体の知れない言葉と爺の声が遠ざかる。


「あんちゃん・・・。もう走れねぇよ・・・。」


一人の子供が限界を告げる。


見れば他の子供達も方で息をし、その場にへたり込んでいる。


「ちっ、走れるのは此処までか・・・。だが、止まるにはまだはえぇ。


もう少しだけ歩くんだ。」


時間にして10分も走っていないだろうか。子供の体力ではよくもここまで走れたものだと褒めてやりたい気もするが、命がかかっている以上甘やかすわけにはいかない。


「ねぇ、長老様しんじゃうの?」


「おにいちゃん、長老様を助けてよ!」


「何を勝手な事を言ってやがる!俺の何処にそんな力があると思ってんだよ!」


そう、俺は神でも勇者でもないただの小僧だ。


そんな小僧に誰かを救う力なんかある訳が無い。


『本当にそうなのかい?』


くっ!?誰だ?


『力が無いと言い訳するのか?』


突如頭に声が響く。


『ならば問う。先ほどの老人には人を救う力があったのか?』


俺にそんな事を聞くんじゃねぇ!


『力とは何だ?救うとは何だ?』


俺がそんな事知ってる訳ねぇだろ!


『無知を盾に自分を正当化する、それが今のお前だ。』


なら、俺に何が出来る?俺は爺に子供達を逃がせと言われてそうしているだけだ!


『ならば、子供を逃がす時間を稼いでくれと言われればそうしたのか?』


くっ・・・。それは・・・。

俺には何が正解かなんてわからねぇ。

だが、少しでも生き延びる道を選ぶだけだ!


『このまま逃げても助かる保障なぞ無いと思うが?』


あのままあそこの場に居てもただ死ぬ順番を待つ間だけじゃねぇか!


『あー面倒だなー!』


ぉぃ、急に喋り方が雑になったぞ!?


『だって、真面目な喋り方すると肩こるんだもん。』


どこかで誰かがコケル音がした気がする。


『ぶっちゃけ、力があれば戦うんだよね?力があっても逃げるとか言わないよね?』


いや、ソレはだな・・・。

俺Tueeeがしたい訳では無いが戦う力さえあれば戦うさ。

(まぁ、負けそうになれば逃げるけど・・・。)


『言ったね?みんな言質は取ったよ?』


みんな?誰?おい、そもそもお前誰だよ!?


『ひどいなー。君をこの世界に送った張本人じゃないか!

ほら、所謂カ・ミ・サ・マ♪ってヤツだよ。忘れちゃったの?

カミサマ悲しいなー(泣』


なんだか、物凄い胡散臭いキャッチに引っかかった気分だ。


『なんか、失礼な事考えてた?』


む、なんか心の中を読まれた気がする。

なんてプライバシー無視な神だ。


神様の癖に悪魔の取引みたいなので力をくれるのか?


『悪魔だなんて心外だな。だって君にはもう力があるはずだよ?』


力?意味が解らん。腕力だって普通だし、足の速さも普通。

聖剣を持ってるわけじゃないし、物凄いスキルを持ってるわけでもないだろうし・・・。


『君って馬鹿なの?ねぇ馬鹿なんだよね?』


おぃ!今二回言ったぞ?そんなに大事なことかよ!


『君ってほんとに馬鹿だよね?キャラメイクさせたよね?もう忘れたの?』


あぁ、そんな事もした・・・。

だが、キャラメイクしたはずのキャラではなく現実の俺(若い頃の)

目が覚めれば夢かと思うだろ。


『あぁ、見た目はそのままのが面白そうだったからね(テヘッ


でも、スキルとか選んだそのまま与えたはずだよ?


他の転移者や転生者と違って理不尽な物は無かっただろうしねぇ。』


はっ!?そのまま?マジで?


『ほら、メニューアイコンだって出せるでしょ?今までの転生者達に使いづらいって散々文句言われたからねー。』


言われるまま、メニューと頭の中で思い浮かべると見知った半透明メニューが浮かぶ。


はなす

どうぐ

じゅもん

すきる

しらべる


・・・


・・・ ・・・


・・・ ・・・ ・・・。


いつの時代のゲームだYO!


『あ、それ旧式のだね。後で直しておくから頑張ってね♪』


おい、スキルとかの説明は?初期アイテムってマジであの棒だけ?

なんか武器寄越せよ!


『you got a mail!。あ、ごめんメール来た。ちょっと出かける予定があるから

ひm、時間のある時にまたねー。』


おい、いま暇って言いかけたぞ?本当にあれが神で良いのか?

まぁ、コレで戦える事が解ったが、ガキ共をここに置いて戻るのか?


「おい、ガキ共お前達だけで町まで行けるか?」


「あんちゃん、俺たちを見捨てるのかよ!」


「長老様と約束したじゃん!」


「ん?約束?そんなもんじゃ飯は食えねぇよ。

そこのアイテムポーチも返してやるからさっさと行っちまいな。」


「ひどい!騙したんだな!」


「おうおう、何とでも言えよ。俺は自分の命が一番大事なんだよ。

おめぇ達の、爺さんみたいに無駄死にする気は毛頭無いんでな。」


と、ガキ共を放り出して来た道とも向うべき道とも別の方角に走り始める。

そう、来た道をそのまま戻ればガキ共がついて来てしまう為でもある。


悟られては意味が無い。


「くそー!」


「お前なんかゴブリンに喰われてしんじゃえー!」


「ブラックウルフのえさになっちゃえー!」


思い思いの罵声を浴びせる。


生きて戻ったら覚えておけよ・・・。


ただ戻るのでは無い。

道すがら鑑定を発動しながら目に付く武器をかき集めていく。


現代知識舐めんな!

俺はぜってぇ生き延びてやる。


犬っころの餌なんてなるもんか。


ニタニタ笑う駄神の顔が頭に浮ぶ。


ぜってぇアイツの思い通りなんてなってやるもんか・・・。

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