第二話:目覚めた場所は知らない天井・・・では無かった。
予約投稿がうまく行っていない事に気がつき中途半端な更新ですみません。
冒険の始まりはもう少し先になりますがお付き合いよろしくお願いします。
「こ、ここはどこだ?」
周りを見渡すも辺りは鬱蒼と生い茂る木々の森の中、木の葉を見ても見たことのない形をしている。
「おいおい、マジで異世界に飛ばされたとか言うオチなのか?
いくらVMMOといえ、匂いや風までこんなリアルに再現出来てないはず・・・。」
気がついた時は地面にうつ伏せに倒れていて土の匂いがした。
起き上がってから、時折吹く風の緑の匂いにまず驚いた。
都会暮らしにはまず出来ない森林浴に行ったような気分になった。
毎日仕事ばかりの生活でロクに休みも無かったし、こんな生活も悪くはないのかと一瞬頭を過るも、科学に頼り切った文化人には明日の事にどころか、今夜の食事すらありつける気がしない。
「さて、こんな森の真っ只中で棒立ちしてても腹は減るし、喉も乾く・・・。
近くに川か人里でもあれば文句はないのだが、無い物ねだり以前に行動に移さないと確実に飢え死にか動物の餌になるだけだな。」
とりあえず、先に進むにしても目標がない事には迷うだけの事に気がついてすぐに立ち止まる。
「ん?なんだ?これは・・・?」
ふと気がつくと、視界の中に半透明の見慣れたアイコンが点滅している。
「へ?新着メール?そんな馬鹿な話があってたまるか。」
などと呟くも触ろうとしても視界の端に表示されているものを触ることが出来るはずもない。
今までの経験で視線をアイコンに集中させて、開こうと頭の中で考える。
するとどうだろうか、頭に半機械的な女性の様な声が響く。
【シンチャクメール イッケン デス。 ヒョウジシマスカ? 】
「うわっ!」
余りにも唐突過ぎて半歩後ずさる。
他の人に見られていればかなり滑稽に見えたであろう。
「頼む、表示してくれ。」
本来であれば声に出す必要も無いはずなのだが何故か口から言葉が出た。
【ジュシンズミ ミドク メッセージ ヲ ヒョウジシマス】
その音声と共に目の前に透過ウインドが広がりメッセージらしき物を表示していく。
『やぁ、さっき言い忘れた事があったのでメールにしてみたよ。
あくまでも僕は立場上おいそれとそちらに行くことは出来ないから。
不可能と言う意味ではなくて行った事による弊害が問題なんだ。
まぁ、それについては説明を省くとして、僕が作った世界をその命尽きるまで楽しいでくれれば良いよ。
万が一勇者逹が魔王に倒されたら、魔王討伐に向かうも良いし、その世界が滅ぶか魔族に占領されるまで隠れて生きるか君の自由だ!!』
おいおい、自由枠って本気で自由なのかよ・・・。
もっとこう、勇者の手伝いをしろ〜とかどこどこの村を救うと良い事があるかも〜だとかなんか旅の目標的なのすら無いのか・・・。
色々と書かれている文面に対しその都度ツッコミを入れてしまうのは性分だから仕方無いとは言え、書いてある内容が余りにも酷すぎる。
簡単にまとめると、三つの内容になった。
まず一つ目、何人か候補を選んで喚んでみたものの、俺の来るのが遅過ぎたせいで主要な役割が埋まってしまっていたと言う事。
二つ目に、枠が埋まって満足したため俺を喚んでいたことをすっかり忘れていたこと。
最後に、考えるのが面倒だからと取り敢えず自分の作った世界へ送りましたという内容が書かれていた。
【テンプ サレタ アイテム ヲ ドウサレマスカ?】
「ん?添付されたアイテム?いきなりアイテムなんて言われても鞄なんてビジネスバックくらいしか持ってないぞ?」
そこでふと気がつく。
「あ、そうかマジックポーチみたいな物に入っている可能性もあるな。
よし、添付された物を出してくれ。」
【アイテム ヲ トリダシマス】
ジャラジャラ 、 ゴトン。 パサッ・・・。
予想外の音と共に、付近に金貨と木の棒?それとも巻かれた白い紙のような物が落ちる。
「添付って、アイテム剥き出しかよ!!」
文句を言いつつも、落ちた金貨らしき物と棒切れ、それと紙だと思ったものは羊皮紙だった。
それらを拾い集める。
「えっと・・・。
金貨は150枚によくわからない木の棒、それと羊皮紙か・・・。
羊皮紙ってなんかの呪文書みたく開けたら爆発とかしないよなぁ・・・。」
恐る恐る羊皮紙を広げてみると、そこに書いてあったものは・・・。
『PS: 渡すのを忘れたから初期アイテムを添付しとくねー♪』
「ってこんだけかーーーー!!!」
俺のドキドキを返せと森に俺の叫び声が木霊する。
「まさかと思うが、初期アイテムって150ゴールドとヒノキの棒か!?」
どんなレトロゲーだと突っ込みたくなる気分を抑え棒切れで目の前にあった木を叩いてみる。
あっ・・・・・・・・・折れた。
どうやらヒノキの棒ですら無い普通に木の棒だったらしい。
「さて、水を探しに行くか・・・。」
なんとくなく捨てる気になれない木の棒と金貨を鞄にねじ込み行く当てもなく適当に歩き始めたのだった。
次話も書きあがり次第投稿しますのでよろしくお願いします。
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