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第一話:そんなオチ聞いてねぇ

ふと、目が覚めるとそこは白一色の部屋に机とパソコンのモニターの様な物が並べられた無機質な部屋だった。


「・・・ここは・・・?」


「やぁ、目が覚めたかい?」


少し高めな声と共に机に向っていた椅子が勝手に・・・


いや、違う。机の背もたれにすら隠れてしまう位の小学生と言われればそのまま信じてしまいそうな

少年が笑顔で座っていた。


「ん?君、今物凄く失礼な事を考えなかったかい?」


こちらの思考を読み取るかのような表情と共にクスクスと笑みを浮かべる。


物凄くいやな予感がする。


「ふむ、馬鹿だけど頭が悪いわけではないようで少し安心したよ。


で、ここが何処か説明した方が良いかな?」


「いや、聞いてもどうせ理解できないだろうしそんなに長い間は居ないんだろ?」


「ん~、半分正解半分不正解かな?」


「半分?」


「うん。君はここに来てすでにかなりの時間が経過している事になるからねぇ。」


その答えに、手を見る、足を見る。


「手も足もある・・・。」


自分の体をペタペタと触るものの、これと言った大きな怪我も見当たらず

気のせいかとも思うが少し髪が伸びた様な気がしなくもない。


「うん。手も足もあるしお望みなら羽もつけて差し上げよう♪」


笑顔だけではなく声までうれしそうに聞こえる。

鏡がない為自分の顔は確認出来ないが、もしかしたら自分は、思ったよりひどい怪我で

何度もの手術によって一命をとりとめたものの長い間眠っていたと言う事なのだろうか?


「ん~。残念それは違うね。


君がここに来たのは乗っていた電車が信号が青になり進み始めてしばらくして起こった事が原因だよ?」


「いや、俺の記憶には電車が止まっている所で物凄い衝撃を受けたきがするんだが・・・。」


「ふむ、その時の影響で記憶が少し混乱してるのかな?


じゃぁ、コレを見ると良いよ。」


そういいつつディスプレイを指差す少年。


「こ、これは・・・・!?」


そこに移っていたものはひとつの線路に二台の電車が向かい合わせに止まっていた。


止まっていたと言うのは画面が静止していたために思った事で、よくよく見ると

列車の車輪は火花をあげ、急ブレーキをかけているようにもとれる。


「うん。そうそう。機器の故障で列車が正面衝突する寸前って所だね。」


「これって何処のカメラの映像なんですか?この後の状況っていったい・・・?」


「ん?カメラも何も現実に起こっている事だよ?止まっているように見えるけど

ほんの少しずつ時間は進んでいるんだよ。」


「なるほど・・・。」


「さて、そこで君に一つの提案がある。」


「提案?」


「このままもとの世界に帰るかい?」


「いや、このまま戻っても間違いなく死にますよね?」


「そうとも限らないよ?」


「どうにかならないんですか?」


「列車事故で君が死ぬと言う事実は変える事が出来ないんだよねぇ・・・。」


「そんな馬鹿な・・・。」


「なら、もう一つの選択肢。」


「もう一つ?」


「こっちを見てくれるかい?」


取り出されたもう一つのモニターを見ると俺が乗る予定の電車がホームに入ってくるところが写っていた。


「これはいったい・・・。」


「うん。コレの少し前だね。必要な事実は列車事故で君が死ぬと言う事実。

これは曲げられる事の出来ない運命なんだよ。


ボクも悪魔じゃないからね。君に選ばせてあげようと思ってさ。


最初のタイミングで戻ってみんなで死ぬか、こっちで一人で死ぬか選ばせてあげよう♪」


悪魔よりヒドイ笑みを浮かべて笑う少年は言葉を続ける。


「もう、気がついていると思うけどボクは君達の言う神様ってヤツさ。


君達の世界の神様と取引で何人分か魂を取り替える事になったんだよ。


送ったメール無視した挙句、利用規約を読み飛ばした君に本来選択肢は無い筈なんだけど


さすがに、なんの説明も無しに違う世界に送るのは可哀想かなぁって思ってさ♪」


違う・・・。コイツは絶対そんな事を考えている顔じゃない。


頭は良い方ではない、いや寧ろ馬鹿な部類に入るといっても良いが嫌味な上司の顔色を伺い続ける毎日。


無理難題を言い続ける取引先に媚を売る日々。


どう見てもコイツは人が苦しむのを見て喜ぶタイプだ。


「なら、後者で頼む。」


「え?案外即決?」


「自分のせいでその他大勢を巻き込む訳にはいかない。

どちらを選んでも死ぬ事に変わりないなら後者で良い。」


「思い切りが良いのはいい事だ。では、地球で起こった事実は後者にしておくよ。」


「は?地球に戻されるんじゃ無いのかよ?」


「え?だって戻したらせっかく調整した魂に傷かつくかもしれないじゃない?」


「戻さないなら、選択肢なんて要らなかったんじゃないのか・・・。」


「さぁ、ボクの作った世界は剣と魔法の世界だよ!

どんな世界かは動画で見たと思うけど、魔族優勢でその他の種族が若干劣勢かな?


各種族の勇者、聖女枠は既に埋まっているから君に残されたのは自由枠!

やったね!特に使命も何も無いから世界が崩壊するか平和になるかはまだ解らないけど

存分に楽しむといいよ!」


「ちょっ!自由枠ってフザケンナ!俺の心の葛藤を返しやがれ!」


「おっと!口調が一気に変わったね?素が出てるよ?」


「本物の神かと建前で会話してりゃ、完全にいたずら大好きな悪ガキそのものじゃねぇか!


キャンセルだ!キャンセル!元の世界に戻しやがれ!」


「え?無理だよ?はいコレ!」


「ん?鏡・・・?」


・・・


・・・ ・・・・


・・・ ・・・・ ・・・


・・・ ・・・ ・・・ ・・・


「なんじゃこりゃーーーーーーー!!!!」


そこに写っていたのは俺でもオレでもボクでも無い、全くの別人の顔だった。


「ほら、君が自分で作ったのだよ!もうわすれちゃった?」


言われて気がつく、電車の中でキャラメイクした人物そのままだった。


性別こそ男だが、見た目は全くの別人。


ダレコレ?


「という事で、げんきでね~~~~ノシシ」


「ちょ、まて、まだ聞きたいことが・・・山ほど・・・あるんだ・・・!!」


オレの問いかけの答える気も無い神は手を振りモニターへと向きを変える、俺の視界は再び真っ白な世界へと変わっていった・・・。


二話目以降書きあがり次第投下していく予定です。


誤字脱字指摘していただけると幸いです。



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