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ザンシ -ZANSHI-  作者: 蒼 葉
蒼 アオイ
2/2

第二話

「・・・・・・・・・」

青い眼のザンシはしゃがんだまま、目の前にいる二人のザンシを睨む


「お・・・お前は・・・青眼のザンシ・・・」

「な、なんなんですか!?青眼のザンシって!?」

二人のザンシは突然現れた新たなザンシに対し動揺しているのか、動けずにいる


「そういうことか」

青眼のザンシは立ち上がり、二人のザンシに話しかける


「・・・・・・は?」

「お前たちの行動はしばらくの間追わせてもらっていた」


「へ?」

二人のザンシは訳が分からないといった感じだ


「おい、優香・・・とかいったか」

「は、はい」

優香は突然話しかけられたことに驚き、声が若干裏返る


「あんたは狙われている、どこかに隠れてな」

「あ、あなたは一体・・・?」

「その話は後だ・・・」

そこまで言うと、青眼ザンシは二人のザンシに構える


「とりあえずこいつらを片付ける」


「!?」

「くそっ!」

青眼ザンシの言葉に二人のザンシも身構える


青眼ザンシは走り出すと高橋ザンシを胸部を殴った

高橋ザンシは辛うじて防御には成功したが、勢いに負け、そのままの体制で吹っ飛


ばされる


「高橋さ・・・」

ヨッシー・・・吉岡ザンシは隣で吹っ飛ばされた高橋に叫ぶが、同時に顔面に青眼ザ


ンシの裏拳を喰らい、意識を失いそうになり膝を地面につく


「はぁっ・・・はぁっ・・・」

「ヨ、ヨッシーは逃げろ!こいつはお前にはどうしようもない奴だ!」

高橋ザンシは吉岡ザンシに叫ぶ


「安心しろ、殺しはしない」

青眼のザンシは吉岡ザンシの胸部を掴むと拳を顔にめがけて振りかぶる


「待て!!!!」

高橋ザンシは走ると、青眼ザンシに猛攻を加える

「・・・・・・」

青眼のザンシは吉岡ザンシを投げ捨て、高橋ザンシに振り向くとそれらの攻撃を全


て捌き、隙だらけの腹部へ拳を入れた


「ぐぁっ・・・」

高橋ザンシは腹部を押さえ、背中を丸める


「ただ、少しの間気絶していてもらうぞ」

拳を握りしめ、力を溜める


「はぁっ」

そして、その拳を高橋ザンシの頬に走らせる

「ぐっ・・・」

高橋ザンシは思わず、目を閉じる


だが、その拳が届く事は無かった



「やっぱり、僕の助けがいるじゃないか・・・」

青眼のザンシと高橋ザンシの間にもう一人ザンシが現れ、拳を止めていた

高橋・吉岡ザンシと似たような見た目をしているが機械化部分が多く、両腕、両足


、胴体、顔面は完全に機械化していた


「あ、あんたは・・・」

青眼のザンシは拳に力を籠め押し切ろうとする、しかし機械化された腕の力は強く


ピクリとも動かない

「ちっ・・・」


「これ以上、僕の仲間を奪わないでくれないかな…?ただでさえ少ないんだ・・・」

機械化のザンシは紫色の眼で青眼のザンシを睨み付ける


「あいにくこっちも少ないんだ、あんたに邪魔されるわけにはいかない!」

腕を振り払うと、もう片方の拳で機械化のザンシの胸部を狙う


「ワンパターンだね…」

胸部に向かう拳をはじくと、青眼のザンシの胸部を押し蹴りする

「同じ攻撃で僕を倒せると思っているのかい?」


「ぐっ・・・まさかあんたが来るとはな…相当この子が欲しいらしい・・・」

「あぁ、欲しいよ、あの方のさらなる成長の為にね」

機械化のザンシは青眼のザンシの前に立つ

「それと、君もね」

「・・・・・・」


「高橋君、まだ体力が残っているだろう?」

「あ…あぁ…」

青目のザンシを警戒しながら、高橋は答える

「ここは僕に任せて、吉岡君と例の場所に逃げるんだ、付けられないようにね」


「分かった・・・任せる」

高橋ザンシは吉岡ザンシを脇に抱えると青眼のザンシとは反対方向に走り出す


「ちっ、ここまで苦労したんだがな…」

「次こそ君を組織に連れていく」

機械化のザンシは回し蹴りをするが、それをはじく青眼のザンシ

と、同時に青眼のザンシの胸部に拳を走らせた

「!?」

咄嗟に腕の前で腕を交差させ、拳を止めた

腕が痺れる


「な・・・何が起こっているの・・・」

私は訳が分からなかった、突然ザンシという怪物に襲われたかと思ったら、別のザ


ンシが現れ、そしてまた現れたもう一人のザンシと戦っている

何が起こっているのかはさっぱりわからないが、青い眼のザンシが劣勢になってい


るという事は伝わってきた

にしても、何故私の事をそれほど狙うのだろうか、私自身、自分に特別な才能を感


じたことは無かった


「ぐっ・・・」

後ろ回し蹴りを頬に受け、後ずさりする青眼のザンシ

「いいね…これが、ステージ3の力・・・」

「あんた・・・進化を・・・」

ダメージが蓄積し、息が荒くなる青眼のザンシ

一歩一歩、それに歩み寄る機械のザンシ

「あぁそうさ、君にも教えてあげるよ…」


「アオイさーん!どこですかーー!?」

と、その時遠くから声と走る足音がする


「来てくれたか・・・」

青眼のザンシはどこか嬉しそうに呟くと、拳に力を籠め地面を思い切り叩き付けた

周囲に爆音が響くと、地面にめり込んだ拳を中心にヒビが広がる

「そ、そこですね、分かりました!すぐに行きます!」

爆音から察したのか、叫ぶ声がし足音が近くなる



「なるほど、仲間か…しかも声を聞く伊吹君のようだね、流石にまずいかも…」

そう呟くと、機械化のザンシは振り向き、走り出した

「勝負は引き分けってところだな」


「・・・・いつか、君にもあの方の考えを聞いてほしい、僕は待ってるよ」

機械化のザンシはそう言いながらいつの間にか消えていた


「あんたもいい加減目を覚ませ・・・」

呟きながら青眼のザンシは仰向けに倒れた


「アオイさん!!」

と、同時に青年が機械化のザンシの逃げた方とは反対側から走ってきて、青眼のザ


ンシの両肩を揺する

「大丈夫ですか!?」


「・・・・・・?」

私はそこで違和感を覚えた、この青年・・・どこかで・・・


「だ、大丈夫だが力を使いすぎた・・・それよりあいつらは・・・?」

「夏ちゃんに追わせています」

「だったら大丈夫だな…」


「!!」

夏、親しげのあるその単語を聞いた瞬間、私の違和感が解けた

が、それがまた謎を呼び、頭の中がめちゃくちゃになる

目の前が暗くなっていく


「え・・・気絶しちゃうの!?ど、どうしよう…」

私は最後に青年・・・いや、同じクラスの伊吹君の声を聞き、意識を無くした



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