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BIG DREAM(1)  作者: えふわん
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6/12

年は違えど絆は絆

気がつけば師走、遂に大夢達の住む町に雪が降った。

そのことにより、大夢と慎平の影ながらの特訓は一旦休止する、と思いきや、

「雪が積もってるけど、俺たちの努力はまだまだ続くぞ」と慎平が言う。

大夢は「えっ?」とやや困惑していた。大夢には意味がわからなかった。慎平は続いて、

「まさかこの雪の中でトレーニングをするとでも?」

「あっ、その、まさかですよねぇ」

「ははっ、そこまで俺は鬼じゃないさ。考えてみろ、俺はあと2ヶ月、3ヶ月で入試を迎えるんだぜ。こんなに悠長に野球していられるのは私学組くらいなもんだよ。」

「あっ、そうだった!慎ちゃん勉強の方は大丈夫なの?」

「あぁ、これまで通り、心配はないさ。中1の頃からどんなに忙しくても勉強のことは頭の片隅に置いてきたからな。微力ではあるけど、毎日少しずつやり続けるのが肝心なんだよ。」

「なるほど、だから僕と一緒に練習に付き合っていられる余裕も生まれたんですね!さすが慎ちゃん!」

「ははっ、ホント。振り返ると、3年間色々あったよなぁ。中学なんてまだ序の口さ。高校入ってからが勝負。ま、俺は大人になった自分を楽しみに今を一日一日大事に生きてるようなもんさ。」

慎平は凄い奴だ。類稀な才能を持ちながら田舎町の中学で控えピッチャーだったのは、結果オーライなのかもしれない。

エースになったらなったで、多くの登板機会を得る分酷使されることを覚悟しなければならない。

先を見据えて緻密な戦略思考を武器に行動する。

そんな慎平に、大夢は徐々に良い影響を受けていった。

少しでも野球がしたい、野球部に戻りたい、

そんな大夢の気持ちを叶えようと一生懸命練習に付き合ってくれた慎平に恩を感じずにはいられなかった。

「もしよかったら、1、2年までの内容解いてみませんか?特に応用問題とか慎ちゃんにぴったりだと思うんで。」

「いいよ!ちょうど問題が欲しかったところなんだ、助かるよ。ありがとう!」

慎平は嬉しそうだった。入試問題は学校のテストのように一筋縄ではいかない。

最後の追い込みに向けて、応用問題を解くことは基礎力が十分に備わっている今の慎平には絶好のチャンスだった。

「さぁ、今から俺ん家で勉強するぞ。大夢も来年は受験生だからな。」と慎平。

「よろしくお願いします!」大夢が応える。


今更ではあるが、中3慎平と中2大夢がタメ口でも許される理由。

同じ小学校で野球チームも一緒でずっと仲が良かったのだ。

中学に上がってからは上下関係の厳しさから大夢は敬語を使うようになったが、慎平は違和感があった。

「学校や大人の社会の時は先輩だけど、学校以外の時は友達のように接していいよ」

裏を返せば、上下関係の厳しさを理解はするものの、慎平には不満があった。

ゆくゆくは日本の教育システムを改革したい、そんな野望を抱いていた。

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