26 Lesson
今回は完全に説明回です。
魔力属性の意味について、気にしない方はとばしても問題はないかと。
「それでは、本日の授業を開始します。
みなさん、自分の魔力の扱いについては、大分上達しました。
ですので、今回は魔力の属性についての説明をしたいと思います。
まず、前提として六種の属性についてはみなさんもよくご存じでしょう。
光、闇、火、水、風、地、これらの六つの属性のうちのひとつを、必ず宿します。
複数の魔力を宿すことは、残念ながら人の身では不可能です。
ただ、魔物のなかにはごく稀に複数の属性を持つものもいるようですから、そのことは覚えておいてください。
ーー話がそれましたね。
属性ですが、この六属性はいわば、各々の能力の表面的なものからつけられた名称です。
本来の属性とは、もっと奥が深いものです。
まだまだみなさんも実感はできないでしょうが、内容を理解した上で、自身の強化に繋げていければと思います。
それでは、それぞれの属性の詳しい説明を始めます。
ーーそうですね。
分かりやすいところで、風、水、地からいきましょうか。
それぞれの本来の属性というのは、風は気体、水は液体、地は固体を操る能力をいいます。
水そのまま、液体の状態では操れるのは水の属性のもの。
これが蒸発して水蒸気になると風属性のもののみが操れるようになります。
凍って氷となったものは、地属性のものの魔力のみに反応します。
つまり、水属性のものでも、氷を溶かして水にすることはできないということです。
また、空気中の水蒸気を水に戻すこともできません。
ですから、水属性のものは、魔力で水を召喚して使用しているのです。
風と地属性の場合は、空気がなかったり、地面がなかったりということは滅多にありませんから、わざわざ召喚する必要もありませんね。
次に火属性について。
これは温度を操る能力のことをいいます。
温度をどこまでもあげていけば、炎が生まれるということです。
ですが、あくまで操るのは温度ですから、逆に冷気を産み出すこともできるということです。
ただ、温度を下げる方が難しいようで、それを得意とする魔族は多くはありません。
次に闇です。
この属性は、空間を操ることです。
もっとも制約も大きく、光の差さない闇や影といったものを利用しなければ使えないようです。
逆にいえば、光のあまりない夜ならば、制約がほとんどなしで使えるということでもあります。
なかには個人での空間転移をできるものもいるそうですが、真実かどうかはわかりません。
ただ、空間を切るということが可能なため、どのような硬度のものでも、切り裂く能力があるということは理解してください。
最後、光の属性ですが、特殊な魔力らしく詳しくはまだ判明していません。
光属性を研究しているものによると、どうやら波を操る能力のようなのです。
ただ、光の波に限り、距離もあまり大きくないそうですが。
なので光属性で遠距離を得意とするものは滅多にいません。
その代わり、近接では自身の肉体を強化することができる唯一の属性でもあり、無類の強さを発揮することができます。
また、蜃気楼を産み出すことができる能力を持つものもいて、それを利用した戦いかたをするものもいるようです。
このように、属性の本来の意味がそれぞれにあります。
みなさん、自身の属性と、他の属性の違いを認識して、魔物に遅れをとらないように訓練に励んでください」
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「属性って、奥が深かったりするんだね」
「そうですね。
普段、魔力を使うときは、あまり気にしている人はいないでしょうが。
ですが、属性を意識することは、戦力アップに繋がるのも事実です」
「そうなんだ。
ちゃんと考えて使わないとね」
「まあ、考えるだけで応用できないと意味もありませんが」
「ーー結構大変かな?」
「頑張りましょう。
ちなみに魔眼についてですが、光の魔眼は空気中の魔力を自身に取り込む力があります。
きちんと制御すれば、魔力切れになることはないということですね。
逆に闇の魔眼は、空気中の魔力を操ることができるのです。
空間という属性である闇の魔力を使うときに、威力を強化したりできると言うことですね」
「そうなんだ。
ーー本当に奥が深い……」
「一緒に頑張って訓練しましょう」
「うん、よろしくね!」




