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序章的展開そしてまたあらすじ?

作者: 七夕ハル
掲載日:2016/03/10

 火捨の者に襲われた者たちが住む場所。火捨の者に襲われた人々の中に旅海団の死んだはずの家族がいた。それぞれが火捨の者を追いながら、過去と向き合う。ここは火捨の者に襲われた者がいるところだと知る。ザクは火捨の者を倒させまいと妨害する。異国の王は戦争を続ける。火捨の者の故郷帰りと言われ 祭りが行われている。火捨の者を倒すには一点の曇りなき、意志の持ち主しかできぬといわれる。ニンフルが選ばれる。ランナがザクに殺される。火捨の者と一体化する。過去への旅路。そこで、親や兄弟も振り切るニンフル。ザクが出てくる。過去を振り切れるかどうかの瀬戸際で、失敗する。ザクに会わなければ。火捨を宿したまま、ニンフルはザクを探す。ザクの心を問うために、時間がない。だんだんと火捨に精神が乗っ取られるのがわかる。ザクはついに、ニンフルの命と自らの憎しみを比べて、ニンフルの命をとった。ニンフルもザクを許し、ニンフルは火捨の者を倒す。異国を脱出する。供に現世の国へ戻るとザクの身体が消えかける。ザクは死んでいたのだ。ずっと前に火捨の者に襲われていたのだ。ザクはこれまでの苦悩を告白し、死んでいく。「死んで生まれ変わった僕はどうだった?君は僕を好きになれたかい?」「どんな姿でもザクが好きだったわ」「嘘だとしても、嬉しいよ。僕はどうなってしまうんだろうか。怖いよ。ニンフル」



 新しい季節がやってくる頃、少女は一人物思いにふけっていた。風は暖かな風を運び、頬をくすぐっている。ここは、テンの村で一番高い物見の塔のてっぺんだった。木々で組まれた塔は風が来るたびにギシギシと音をたてている。少女は高い台座に腰をかけ先に見える広い海をぼんやりと眺めていた。海は変わらずいつもの穏やかさを示していた。

「ニンフル。ここにいたのかい」

 ふいに高い声がする。まだ声変わりしていない少年の奏でる音だった。腰かけていたニンフルは声の主が誰かちゃんとわかっていた。村の漁師の息子サグだ。二人は許婚として半ば強引に将来を約束した間柄だった。この村では、生まれてまもなく、対となるべき伴侶を同じ村から見つける慣わしになっていた。小さい頃はまだよかった。二人は何も意識せずとも、ただの遊び相手であればよかった。だが、村のことや掟のことがわかってくると、ニンフルは嫌な気もちになった。

 何故私の夫がサグみたいな頼りない坊やなのよ。たまたま近い年に生まれたからといってあんまりよ。今考えていたこともまさに結婚のことであった。大人たちも、ニンフルの気乗りしない様子を見て、式を早めることにしたのだ。一週間後にせまっていた。

「私、あなたと結婚したくないわ」

 ニンフルはまだ子供だった。どんなに言葉が相手を傷つけるかもまだ十分にわかっていなかった。

 サグは暗い顔つきで、寂しそうに笑顔をみせるだけだった。そしておそるおそる聞くのだった。

「僕のこと嫌いかい?」

 ニンフルはこう問われれば、自分の気もちがわからなかった。ずっと仲の良い兄妹という感覚で育ってきたのだ。ニンフルの親は「おてんばなあなたをもらってくれるところなんてありゃしないよ。それにもう結婚のための持参金を向こうの家に送っているのだからね」と言った。

 サグの家は漁師の家だったが、父親を早くに亡くし、4人の子供を母親が育てていた。サグは末の子である。この村では嫁ぐ女性の家から男性の家へ持参金を持たせる風習があった。その前借りとして、ニンフルの父母がお金を渡していたことを指しているらしい。珍しいことではあった。だが、サグの家は援助がなければ食べていけなかった。他の3人の子供は皆女だったので、お金は出ていきこそすれ、入ってくることはなかった。


 もし、ニンフルがサグとの結婚をどうしても嫌だといえばサグの家は食べていけなくなるくらいのことはわかった。サグはまだ漁師の見習いであった。とても、いっぱしの食い扶持を稼ぐことはできない。しばらく黙った後ニンフルはサグを見た。

「嫌いじゃないわよ。でも、掟とか、そういうのにうんざりしているだけ」

 ニンフルの言葉は半分本当で半分は嘘だった。どうしようもない諦めもあった。だが、運命に対する決心はなかった。転機が訪れたのは3日後のことだった。自飛艇という空の乗り物で旅商人がやってきたのだ。人力のみで空が飛べる最新の空艇だった。


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