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8-6 回想
side-B
「ちょっと待ってください」
呼び止めてからもう一度、二人の顔を確認する。
多少は歳を取っているが、やはり資料に載っていた写真と同一人物で間違いない。
俺が呼び止めた白衣の二人は不思議そうに俺を見ていた。見たところ落ち着いている様子だ。これならこれから告げることを冷静に受け止めてくれるだろう。
「どこか怪我はありますか?」
「いえ、大丈夫です。暴力は受けていませんから」
呼び止められたことを不審に思うような表情をしながらも男性の方が言った。
そこで俺は二人の名前を呼ぶ。
「一之瀬公房、それに雪乃夫妻で間違いないでしょうか?」
「え、ええ、そうですけど……」
さらに怪訝そうな顔をする男女。だが、今は彼らに詳しく説明をしている暇はなさそうだ。どうやら俺たちも行かなければならない。
「時間がない、一緒に来てください。事情は移動しながら話します」




