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終焉のアルス・ノトリア ~天使の守護者~  作者: 七坂綾人
第三章 一時の邂逅、すれ違う二人
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5-1 暗躍

side-C


「もう、悠一ったら!」


「あっ……」


 彩華ちゃんまで走っていった悠一君を追いかけて行ってしまった。


「彩華ちゃんまで行っちゃった……」


 彩華ちゃんの背中がどんどん遠ざかっていく。じゃあ、私はどうしよう。


 あそこには行くべきではない。行きたくない。


 ――駄目。


 なぜあそこに近付く必要があるのか。


 ――早く行かないと。


 悠一君たちが戻って来るまでここで待っているべきだろうか。うん、それがいい。


「――神代さん」


「え? ……(れい)ちゃん?」


 振り返ると、そこに玲ちゃんがいた。


 私は首を傾げる。どうして玲ちゃんがここにいるんだろう。私よりも悠一君の方に行くべきではないのか。


「人払いの結界です」


「へ?」


「神代さん、強い意志を持ってください。あなたにはあそこに行かないといけない理由があるのでしょう?」


 そうか、これは人払いの結界の効果なんだ。だから私は二人を追うことが出来なかったんだ。それさえ自覚出来れば対処のしようはある。


 人払いの結界を破るには二つの方法がある。一つは魔法で結界を破壊する方法。そしてもう一つは、自分の意志を強く持つことで結界の効果を無効化してしまう方法。

 人払いの結界の効果は他人をそこに行きたくないと無意識に思わせる。だから、そこに行きたいという強い気持ちがあれば突破することは可能だ。


「ありがとう、玲ちゃん。私にそれを言うために出てきてくれたんだね」


「はい、あなたにも来てもらった方が良いと判断しました……薬の方は?」


「さっき食後に飲んだよ。でも無効にする薬もちゃんと持ってきてるから大丈夫」


「出来れば使わないで済むと良いのですけれどね……では、急ぎましょう」


「うん」


 強い気持ちを持って足を動かす。私は悠一君のところへ行かないといけない。悠一君を守らないといけない。


 だから待っていて、悠一君。


―――

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