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学舎占争  作者: 伏見 ねきつ
9月
46/49

〆 月籠雛

2年ぶりの投稿ですよ。

故に書くのも2年ぶりだったのでキャラが生きてるかわからないです。

 次の日、僕は抄夜ちゃんに言われたとおりに教室で待っていることにした。いずきはどうやら柚樹さんとデートだかなんだが知らないけれど何か一緒にお出かけをしているらしい。

 ちょっと、メタな話をすると久しぶりすぎて何が何だか覚えてないから、今頑張って思い出そうとしているんだけど……昨日確か抄夜ちゃんに葉月ちゃんについて知りたくない? みたいなことを言われてなんとなく知りたいなって返した気がする。そしたら、抄夜ちゃんに明日もここに来いよって言われた、と。因みに昨晩いずきの家でご飯食べた時、今日抄夜ちゃんと遊ぶことは伝えてあるが、葉月ちゃんがどうこうという話はしていない。学舎占争に本格的に巻き込むことにしたとはいえ、葉月ちゃんの裏事情みたいなことを知ってるのは多分僕だけだから。危険があるかないか判断した上で、伝えるべきならばいずきにも全部教える。

 葉月ちゃんにもきっと人権はあるしね。

 と、机に座りながら僕は小さく呟く。

 そういえば何ヶ月か共に行動をしているけれど、葉月ちゃんは生活に不自由している感じがしない。しないだけで、しているのかもしれないけれど。変な雑談とかしても家庭の内容に触れることがあまりないのが優良生徒同士の暗黙のルールなのかもしれない。……まあ、仲良くしている優良生徒なんて他にいるのかどうかなんてしらないけれど。自分の学校に帰った優良生徒が2人もいる学校あるのだろうか? 普通だったら成功? とかした生徒はパワーバランスのために素性を優良生徒の中で共有されるはずだから、たくさん帰ってる学校は分かるはずなんだけれど。……普通に考えて、3人中2人が成功して帰るのは奇跡みたいなものかもしれない。


「雛ちゃんおはよー」


 ぼーっとしていたせいか真後ろから声をかけられてびくっとしてしまった。


「抄夜ちゃん、おはよ」


「ビックリしてたね」


「そりゃまあ、後ろから声掛けられたらビックリするよ。ところでどうでもいいけどビックリってビックとクリが合わさってすごい! ってことでビックリなのかな」


 そう僕がいうと抄夜ちゃんは呆れたような顔をした。

 うん……そりゃそんなわけないだろうけどさ。BIGはそもそも外来語だし栗は日本の食べ物だし、それがあわさることなんてまずないでしょ。多分よくわかんないけど。


「うーん、聞いたことある話だとビックリっていうのは第1次世界大戦の時にドイツが負けて、それで驚いたドイツ人がWirklichっていってたのを日本人が聞いて訛ってビックリになったって」


「びるくりっひ?」


 へー、そうなんだ。思ったよりビックリって言葉が使われるようになったのは最近なんだ。抄夜ちゃんは博識ですごいなあ。なんて。


「というのは大嘘で」


「ん?」


「びくりとかそういう表現からびっくりになっただけだと思うよ」


「……うーん、一個目の方が説得力があったよ」


「じゃあそういうことにしておけば?」


 そう、抄夜ちゃんは軽く笑って言った。

 ふむ、じゃあそういうことにしておいて今度いずきに教えてあげよう。嘘も吐き続ければ本当になる日がきっとくるからね。あれ、ドイツ語でなんだっけ…? びるっくり? まあいいか…それっぽいこと言っておけば……。いやこれじゃ確実に醜態を晒すことになるな。まあいいか…いずきだし。さっきからまあいいかしかいってない。僕、妥協しすぎですね。


「それで、抄夜ちゃん」


「何をするのかって?」


「うん」


 抄夜ちゃんの察しが良すぎて会話のテンポが速くなって普通に戸惑う僕である。馬鹿だから困っちゃうなあ。現代っ子がお話するのが苦手な理由にネットでの会話に慣れすぎて実際に話す時のタイムラグのなさに戸惑うみたいなことを聞いたことがかる。残念なことに僕はネットとか言うものに触れたことほとんどないんだけど。


「雛ちゃんこれから僕達は」


 抄夜ちゃんは神妙そうな口調で語り出した。

 とても大事な話をするに違いない。と思って僕は身構える。頑張って理解出来るところまで理解できるように……。


「うん」


「コスプレをする」


「うん?」


 コスプレ…? 仮装みたいなものだっけか。ハロウィンとかそういうイベントで幽霊とかの格好をするやつのことだよね。えっと、文化祭の時に抄夜ちゃんがしてた女装もコスプレ…だね。……うーんと、何か幽霊の格好でもして驚かすのだろうか。ハロウィンにしては1ヶ月早いし、抄夜ちゃんと二人でやることだろうか。というか葉月ちゃんにそれは関係あるのだろうか? ……葉月ちゃんが実はコスプレ好きな人とかそういうあれ? 同じ服装をして仲良しレベルを上げに行こうみたいな…? いや意味がわからない。


「深く考えてるみたいだから説明するけど」


「ありがたすぎて泣きそう」


「睦月高校のコスプレをする」


「睦月…?」


 この丘に並ぶ私立高校、睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走の序列一位の睦月高校だろうけれど…急になんで……? 学舎占争のことを管理しているという睦月高校の生徒の振りをして、葉月ちゃんから情報を……? いや葉月ちゃんを知る誰かから情報を得るみたいな感じだろうか。

 抄夜ちゃんは真面目に悩んでいる僕を無視して歩き出した。それに僕はよくわからないまま松葉杖を持ってついていく。


「コスプレして葉月ちゃんに会いに行くよ」


「え? どういうこと?」


「今日はいい天気だなあ……」


 廊下の窓から見えた空を見て抄夜ちゃんは呟いた。

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