〆 朧月彩斗
恋愛ものの小説は吐き気をおぼえる。
と私はいつも思う。恋なんていうものはただの勘違いでしかなくて、つり橋で間違って認識してしまったドキドキでしかなくて、子孫を残したいだけの自然の原理に操られるままに好きだと勘違いしたものでしかないと私は思うから。幻想の、作者の妄想でしかないハッピーでアンハッピーなただの小説を見せつけられたところでなんの特になるというのか? 誰だって他人の妄想話をきいていい気分にならないように作者の妄想でしかない小説を読んで吐き気をおぼえて、自分の妄想を晒している作者もアホみたいだと思う。
私、朧月彩斗は長月高校第三学年の教室の隅で自称ぎみに笑った。
「……〆切」
私の青春もそろそろ終わりにしなくてはいけない。〆切。それはきっと守らなければならないものだから。優良生徒、なんて滑稽で道化な存在なのだろうか? 平穏で平凡な学生の皆さんのために汚いお金で操られている馬鹿、優良生徒。何が優良だ。何が生徒だ。ふざけるな。
三年生、もう学生はもう終わりである。学生でいられるうちに私がやらなくてはいけない学校から出された任務はただひとつ。
「時が満ちるまでに、私は――――――」




