B子
最後まで、それがなんだったのかはわからないまま。
どこかの学校に通う、ごく普通の中学生達の短編ホラー(?)小説。
今回はB子ちゃんのお話です。
※A子ちゃんのお話の続きとなっております。
前話を読んでからお読みになられませんと、話がわからない場合がございます。
順番にお読み下さることを推奨します。
「A子ちゃん最近どうしたの?なんだか毎日眠そうだしけっこー顔色悪いかも?」
「ん・・・え、あ、なんだB子か・・・うん、ちょっとね・・・」
「どうしたの~?もしかしてぇ、恋のお悩みかな~?」
「いや・・・違うの、ただ、その、うーん・・・」
「え、え、もしかして結構深刻な悩みなの?」
「・・・。」
「えと、大丈夫?B子でよければ相談にのるよ・・・?」
「あああ、そっそんなに深刻な話じゃないの!
この前のパソコンの授業暇だったから、暇つぶしにフォルダ見てたのね、
その時見つけたちょっと怖いカンジの絵が忘れられなっくて、
おまけに変な夢まで見るようになっちゃってさ!
困っちゃうよね~!呪われちゃったかな!あはは、あははは・・・は・・・。」
「あー、あるよねえ、そういうことって。」
「あ、あるかなあ?」
「あるよお、ホラー映画見たあとってたまになったりしちゃうよお。あれと同じじゃない?」
「うーん、まあ、そう・・・かも?」
「でもね、夢見ちゃうくらい怖い絵なんてちょっと興味あるなあ。
B子オカルトとか結構好きなんだよね!こっくりさんとかもしてみたいし!
ねえ、B子その絵みてみたいかも!」
「えー、ホントにどうってことない絵だよ?」
「うん!それでもいいから見てみたい!二人で見たら全然怖くないかもしれないし!」
「あはは、ホント好きなんだね・・・。
じゃあ放課後ヒマ?ヒマなら見に行こっか?」
「見に行く見に行くー!放課後だね!全然おっけーだよ!
あ、先生来ちゃった、また後でねー!」
「はいはい。じゃあ放課後ね。」
「B子~、この前言ってたCD持ってきてやったぞ。ありがたく受け取りやがれ。」
「おお~!C太君ナイス!これ前から聴きたかったんだよね。
買った・・・訳じゃないんだね。」
「おう、借りてコピーしたやつだ。」
「もー、悪いやつめ!B子もやるけどね!」
「人のこと言えねーじゃん。まあコピーしたら返してくれ。いつでもいいから。」
「わかったよーありがとう!」
「じゃあ席戻るわ。」
「うん、ありがとねー。」
「では!A子ちゃん!いざ心霊画像調査へ、ゴー!」
「心霊画像じゃないし!調査だってしないからね?!」
「もー、ノリ悪いなあ。
テンション上げないとまた怖くなっちゃうよ?」
「あ、気を使ってくれたのか・・・ごめんありがとう・・・。」
「いや、単純にワクワクして!」
「はあ・・・。」
「おじゃましまーす!って誰もいないか。」
「人がいたらいたで怖いけどね。鍵かかってたし。」
「いたらちょっと面白かったよね。」
「あんたここに来た理由忘れてるでしょ。」
「A子ちゃんの怖がりを一緒に克服するため?」
「もう!絵探してあげないよ?!」
「ごめんごめん、それだけは勘弁してくださいっ!」
「全くもう・・・。」
「あ、A子ちゃん、私のパソコン近いし使っていいよー。」
「あ、そう?ならそうするね。」
「うん、はい電源いれまーす。ポチッとな!」
「ホント、テンション高いねえ。」
「・・・。」
「・・・。」
「うちの学校のパソコンて起動遅いよね。」
「そうだね。買い換えたほうがいいよね。」
「あ、ようやく立ち上がった。はいどうぞー出して出してー!」
「もう、焦らせないでよ。えーっと。」
「いつごろの絵なの?」
「うーん確か五年前くらいのやつだったと思うんだけど。」
「うわ、以外に古いね!そんな前からあの授業あったんだね。」
「ソウダヨ。」
「そうだね。」
「?何で今二回言ったの?」
「は?」
「あれ?うーん・・・何でもないかな。」
「そう?
・・・あれ?ないなあ。」
「えー、じゃあもっと新しかったんじゃない?」
「そうかも・・・。」
「・・・。」
「・・・・・・。」
「あれ?うそ、な、何でないの・・・。」
「A子ちゃん全部調べたの?」
「し、調べたよ!全部チェックしたのに!」
「あ、じゃ、じゃあ、どれかの絵をみまちがってただけだったんじゃ・・・。」
「っそ、そんなはず・・・ない・・・と思う・・・けど・・・・。」
「見間違いだったならさ、それはそれでいいよ?
A子ちゃんもそっちの方が気が楽じゃない?」
「・・・そう、だけど、でも。」
「・・・もしかして、A子ちゃんのパソコンにだけあった・・・とか?」
「!怖いこと言わないでよ!!やめてよ!!」
「あ・・・ごめん・・・。」
「あ、えと、こちらこそごめん・・・。
私結構ヤバイのかも・・・。
私のパソコン、調べてみる・・・・。」
「え!そんな無理にやらなくても・・・。」
「いや、調べてみる。
これで何も見つからなかったら、このことはスッキリ忘れられそうだもん。」
「そっか、そうだね。
B子も、最後まで付き合うよ。」
「・・・うん。ありがとう、B子。」
「あったー?A子ちゃん。」
「うーん、やっぱりないかも。」
「そっか、それならそれでよかったね。」
「うん、いま、ちょっとホッとしてるかも。
見間違いだったんだなあって。
あと三つ確認したら全部だし。もう、ない、よね。」
「よーし、暗くなってきたし、さっさと見て帰ろう!」
「そうだね・・・。」
カチッ。
「あ・・・、え・・・?」
「え?もしかして、あった、の?」
「・・・いや、私が見たのとはちがう、けど、でも。」
「うわ、なにこれ真っ赤・・・。
気持ち悪い・・・。」
「・・・。」
「でも、この絵がA子ちゃんが見たやつって訳じゃないんでしょ?」
「・・・うん・・・。」
「似てはいるんだ・・・?」
「・・・。」
「どんな絵だったか、聞いても、いい?」
「・・・。
こんな感じの赤一色の背景で、その、真ん中に、真っ黒い人影が立ってて・・・。」
「このへん?」
「うん、ここ、ど真ん中だった、と思う。」
「うーん、そっか、見間違う・・・かなあ・・・。」
「どうだろう・・・。」
「B子、ちゃんと鍵しめた?」
「うんバッチリ。」
「じゃあ後は鍵を職員室に返して早く帰ろう。」
「うん、まだ日が出てるうちに帰っちゃおう。」
「うん・・・。」
「・・・あ、あのさA子ちゃん!」
「うん?何?」
「多分、A子ちゃんが見たのってさ、パソコンにうつった残像だったんだよ!」
「残像?」
「そうそう!A子ちゃんの席ってちょうど窓の向かいだから・・・。
太陽を見たあとに別の場所を見るとさっきまで見ていたものが消えなかったりするでしょ?
だからきっとそれだと思う!あの絵ははじめから赤一色だったんだよ!」
「そうかも・・・そうだね、きっと。そうだよね。」
「うん!絶対そうだよ!やっぱり見間違いだったんだよ!」
「・・・そう、だね。そう思うことにする。ありがとう。もう大丈夫だと、思う。」
「まだ何か怖いようならさ、今度あの絵に落書きしちゃいなよ!
きっと怖くなくなるよ!」
「うん、それいいかも。その時は付き合ってね。」
「もちろんいいよ!とびっきり楽しい絵にしてあげる!」
「ホントウニ?」
「B子、結構絵を描くのうまいんだから!」
「そっか、楽しミにシテる。」
「まっかせてー!」
「じゃあ、私、家こっちだから。」
「あ、B子と反対方向なんだ。
じゃあねA子ちゃん、また明日ー!」
「うん。マたね。まタ、アシタ。」
「ただいまー。」
「お帰りB子、遅かったわねえ。
なあに?学校で宿題でもしてたの?」
「うーん、まあ、そんなところ?かな?」
「嘘つくんじゃありません。お母さんはお見通しだよ!」
「アイタッ!叩くことないでしょー!」
「ほら、さっさと手、洗ってきなさい。ご飯にするよ!」
「はーい。」
「さって、宿題しなきゃなー。
部屋もどるねー。」
「あら、B子が自発的に宿題するなんてめっずらしい!
こりゃ明日は槍が降るわね!」
「もー、B子だって宿題くらいしますう!おねーちゃんだって人のこと言えないでしょ!」
「あー、本当にかわいくない妹だねあんたは!」
「あーもー、うるさいうるさい!じゃあね!勝手に入ってこないでよ?!」
「はいはい、わかってますよー。」
「あー、なんだかはかどんないなあ・・・。
あ、そーだ!C太君から借りたCD聴きながやろう。」
「んん・・・?
あれえ?かかんない・・・?
おっかしいなあ、C太君に電話してみようかな。」
『トゥルルルル…トゥルルルル…プツッ、はい、もしもし?』
「あ、もしもし、C太君?CDに曲入ってなかったよ?」
『え、マジ?』
「うん、マジマジ。」
『あっれー、おっかしいな・・・。
あ、こっちにある!ごめん間違ってカラのCD渡したみたいだ!』
「えー、そんなあ。」
『まだ六時だし・・・届けてやろうか?』
「えー、それもなんか悪い気がするなあ。
あ、なら私取りに行くよ!」
『もう大分暗いぞ?』
「大丈夫だよー、C太君の家結構近いし、食後の散歩ってことで。」
『そっか、なら待ってるな。』
「うん、五分くらいしたら取りに行くよ。」
『わかった。』
「おかーさーん!ちょっとC太君の家にCD貰いに行ってくるねー!」
「あら、もう暗いし明日にしたら?」
「だーいじょうぶだって!近いんだし!」
「そう・・・。
暖かい格好していくんだよ。」
「わかった。いってきまーす。」
「はいはい、いってらっしゃい。」
「あー、結構寒いなあ。CDも貰ってきたことだし早く帰ろう。」
「・・・?あれ?A子ちゃん・・・?
Aー子ちゃーん!何やってるのー?」
「・・・。」
「どうしたの?うちの近所で。」
「B子チャん、遊ぼウ?」
「え!?い、今から!?
う、うーん、それはちょっと・・・。」
「・・・。」
「今日はもう遅いし明日にしよう?A子ちゃんも色々あって疲れてるでしょ?」
「・・・。」
「・・・うう、さむい・・・。あっ、CD・・・。」
「・・・ハイ、B子チャン。」
「あ、ごめん、ありがとう。
もー、CD落としちゃうくらい手が冷たいし感覚ないよー。
もう今日はお互い帰ろう?ね?」
「マタネ。」
「うん、また明日ー。」
「A子ちゃん、なんであんなところにいたのかな・・・。」
「ただいまー!」
「おかえり、寒かったでしょう。
案外遅かったわね、C太君との話に花が咲いちゃった?」
「違うよー、さっきそこで友達に会ったの。」
「あら、こんな時間帯にどうしたのかしらね?」
「うーん、よくわかんなかったな・・・。」
「うちに連れてくれば家まで車で送ったのに。」
「そっか、お母さんに電話すればよかったかな。」
「今度はそうしなさいね。」
「うん、そうする。」
「さーて、早速聴きますかー。
セットして・・・再生っと。」
「ザザザ・・・。」
「あれ?またかかんないの?」
「ザザ・・・ジ・・・。」
「仕方ないなあ・・・またC太くんに文句いってやろ・・・。
電話、電話っと・・・ん・・・?」
「・・・・・ザザー、・・・ジ・・・ザ・・・け・・・。」
「何かはいってる・・・?」
「・・・ザザザ・・・ザザ・・・けて・・・。」
「・・・?」
「・・・た・・・ザザ・・・け・・・て・・・。
ザザザ・・・たす・・・けて・・・・・ザ・・・B・・・子・・・。
・・・・ザ・・・たすけ・・・ザザ・・・て・・・・B子・・・・・・・・。
たすけてえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ えええええええええええええB子おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてた すけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけて たすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけ てたすけてたすけてたすけてあいつがあいつ私がわたしあいつアイつワたしあイわた
アイツガ、クル。ブツッ・・・・ザー。」
「いやああああああああああああああああ!??え、A子ちゃん!??え、え、うそ、な、何、なん で・・・。な、なんなの?!なにこれ!?」
「・・・ザザ・・・ザ・・・プツン。
アソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソ ボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボア ソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボ アソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボアソボ
B子チャン、アソボウ?コッチニキテ?キッチニキテ?アソボウ?B子チャン!!!!」
「いやっ!!いやああああああ!!!お母さん!!おねえちゃん!!助けてっ!!!
助けてえええええ!!!!」
私は、A子ちゃんのノイズ混じりの狂ったように「アソボウ。」と繰り返す声に半狂乱になりながら、
半ば転げるように部屋から出て、一階にいるはずである母と姉に助けを求めようとしました。
慌てて、泣きながら階段を降りようとしたときでした。
私は、何者かに、背中を突き飛ばされ、真っ逆さまに落ちてゆきました。
その時、私は確かに見たのです。
階段の一番上に立つ、全身真っ黒な、誰かの姿を。
落ちる、落ちる、私は落ちる。どこまで?ドコマデ?ドコマデオチル?
fin