1・会話
5月7日、西山徹は今日も会社に出勤していた。彼は田畑商事株式会社というある程度有名な会社に勤めていた。
毎日出勤しただ変えるだけの単調な日々だ。しかしいずれ来る事件を彼は気にかけていた。7日の日も一通りの仕事を終え、家に帰ろうとした時、彼の携帯電話が鳴った。
「西山・・・久しぶりだな俺だ佐藤隆だ。」やはりきたか・・・ついに来てしまったのだと西山は悟った。「何の用だ佐藤。」 何の用かはすでに分かっていた。しかし一応聞いてみたが思った通りの答えだった。「もう約束のときだ。お前もわかっているんだろう」やはり覚えていたのか・・・ついに来たのか・・・「正直言ってもうあんな約束は無しにしないか?お前だって結婚してるだろう」
いっても無意味なのはわかっていた。彼の執着心はおそろしいほどのしゅうねんだったのだ。
佐藤隆は西山の幼馴染だった。
ただ閲して仲が良いわけではなかった。西山は髪は短く丸顔で目は細く掘りも深く顎が出ていてお世辞にもハンサムとは言えない顔だった。
一方左藤は色白で顔は引き締まっていて目は大きくかつ鋭く、まさしく女性に人気がありそうな顔をしていた。
そんな佐藤だが結婚はしていないようだ。なぜなら先ほど結婚しているだろうと聞いたら、スゥーと息を吐いたからだ。
この動作をしたときは悪いことを聞かれたときにする癖だったからだ。幼馴染の西山はそれを知っていた。「結婚?そんなのどうで
もいい。明日、いつもお前が散歩している川を見てみろ、悲劇の模様が浮かんでくるだろ?」恐ろしく低い声で佐藤は言った。プチッー・・・西山は電話をとっさに切った。
8日、朝、西山が川を見たときは何の異変もなかった。
しかしその帰り道、驚きの光景を西山はみることになる。