04 スライム
テイムをした
初めてのペット生活として狼を選んだ
目の前にいるのは犬でも狼でもなく寝相がとんでもなく悪いケモ耳美少女だ
服が邪魔なのか下着で寝ている
人前で裸になるのはおかしいと言ったから最低限の衣服としてそうしたのだろう
「気持ちよさそうに寝やがって……」
財布の中身を確認する
銀貨3枚
働かなくてはいけない
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「結構人いるんだな」
ジウから教えてもらった冒険者ギルドについた
また彼らに会えるだろうか
とりあえず受付に話しかける
「こんばんは~」
「こんばんは!ご用件は何でしょうか?」
「始めてなんですけど仕事はどうすれば受けられますか?」
「でしたらお名前を教えていただければ登録できるのでお願いします!」
「ツカサです」
あえて苗字を名乗らない、この世界は名前だけの人物が多いみたいだし
正体がばれないようにする工夫だ
「ツカサさん、登録できました!お連れの方の分は作りますか?
パーティならツカサさんのだけあれば不要ですが……?」
「もちろんつく――、」
「いえ、大丈夫です!依頼はあの紙を持ってくればいいんですよね?!」
「あ……そうです!お待ちしてますね」
余計なことをしそうだったので口を塞いだ
「おい!なんで作らないんだ!私もそれを作ってみたい!」
「もし魔物ってばれたらどうするんだよ」
「そんなのは知らん、お前はテイマーだから何とかなるだろう」
「しかたないな……]
ほんとに子供のお守りみたいだ
「さてと、どのクエストにしようかな」
キラキラした目でカードを眺めるマオを椅子に座らせクエストボードをみる
ギルドは明らかに人間じゃないマオでもカードを作ってくれた
強い差別をするのは貴族やその部下だけってことだろうか
草刈り 掃除 護衛 花の採取
う~ん、あんまりいいのがないな
「ん?これなんかいいんじゃないか」
トロールの群れの討伐(推定15体) 報酬:金貨10枚
「マオ、仕事に行くぞ」
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「人間の町は楽しいな、見たことないものが多い!」
「馴染むの早すぎないか」
向かう途中色んなものに興味があるようで立ち止まりながら進んでいた
「私はずっと独りだったからな、娯楽というのが狩りしかなかったんだ」
「なら楽しい冒険にしないとな、マオが独りにならないように仲間もたくさん連れてな」
「――、勇者の癖になかなかいいこというじゃないか……」
少し嬉しそうだ
仲間にはいい思いをさせたいからな
「今回はトロールの群れだけどいけそうか、っていうか行けると思って受けた」
「当然だ、私を誰だと思っている、トロールなど瞬殺だ」
ドヤ顔しているがマオがやれないと俺も死ぬから頼むぞほんと
アデノ平原の奥の森にいるというトロール
危害を加えなければ普段は温厚らしいのだが、最近見境なく襲ってくるらしい
「もしかしてあいつらか」
薄い茶色の肌をした鬼の様な魔物だ
棍棒といえる大きな木の塊を握っている
看破したところ間違いないな
「マオ、トロールの真ん中にあるあれ、何かわかるか?」
「あれはスライムだな、見たことない色をしているな」
「は?スライム?なんでそんなのを囲ってるんだよ」
魔物看破を使用する
インベントリに表記される新規情報は音としても文字として視界に現れる
そしてスライムは固有種ということが分かった
「まじか?!水色ってこの世界だとレアなのか!」
散々倒した緑のスライムとは違いよくイラストとかで見る水色のスライム
レアと聞くとかなり欲しい
「水色のスライムはそう珍しいものでもない、たまに私も見つけたことがある」
「あいつをテイムする、その為には周りをどうにかしないとな」
「スライムなんていても雑魚だがな、とりあえずトロールどうにかすればいいんだな?」
「頼むぞ」
隠れていた利点を活かさずにマオが真正面から突っ込む
「おい!せっかく見つかってなかったのに!」
「私のほうが強いに決まっている!」
「咬喰」
マオがトロールの首へ手を向けると首が千切れるように落ちる
「人間になって牙や爪は無くなったが代わりのスキルはあるようだな」
「空中爪撃」
マオが腕を振ると爪でひっかいたかの様にトロールが切り裂かれる
「楽しいな!自分の牙や爪が無くても戦えるぞ!」
「後ろだ!」
マオの後ろから2体ほど奇襲してきた
2体が棍棒を振り下ろすがそれを両手で受け止める
「狼だった時の顎の力は今の腕の力になっているらしいな」
そのまま押し返し空中爪撃で切り裂く
「スキルに頼って戦うのは久しぶりだな」
「サンダー」
雷が落ち1体が灰になる
「このぐらいの威力なのか、弱くなったな」
「おい、そんなこと言ってる場合か!まだ来るぞ!」
こちら側にも一体向かっている
マジックウィップ
トロールぐらいだったら千切れるかもしれないけど動きは止めている
この巨体を縛り付けられるのはかなり強いな
「世話の焼けるやつだな」
縛り上げていた鞭ごとトロールが目の前でバラバラになる
「サンキュー!」
鞭がなくなってもボタンを押せば、再度鞭が生成される
「爪ではなく人間の拳で戦うのは面白いなぁ!あははは!!」
トロールを何体も殴り殺す姿を見て敵にしてはいけないと感じた
「ほんとに俺と同じレベルかよ……基礎が違うな……」
「全部倒したぞ」
返り血だろうか、汚れたマオをみて少し恐怖を抱く
笑いながら戦う姿が脳に残り続けてしまう
でもそれでこそ魔王だ
だから強いんだろう、実際にかなりトロールを圧倒している
「今までとは違う戦い方が出来て楽しいな!」
「あんまり油断すると危険だからな、気をつけろよ」
「ふん、早くレベルを上げないとスキルが増えないからな。早めに経験値を貯めたいんだよ」
テイマーは経験値がすべて主人に入る
そして魔物はテイマーのレベルに統一される
何もしなくてもレベルは上がる、けどそれって強くなれないよな?
魔物だけ強くても主人が死んだら終わり
なら主人も一緒に戦えるようになればもっと強くなる
「俺も極力強くなれるように戦闘に参加するよ」
「ふ、私がうっかり殺さないように離れていたほうがいいのにな」
「そんときは攻撃跳ね返っちゃうでしょ」
周りのトロールは全滅した
証拠として耳や歯を持ち帰るらしい
後でギルドが回収しにきてちゃんと数が合ってるか判断するらしい
「さてと、あとは真ん中のこいつだな」
水色のスライムは木製の檻の中にいて震えているのがわかる
「お前、人間の言葉はわかるか?」
当然返事はないが震えている
「わかる、と言っている」
「お前魔物の言葉がわかるのか?!」
「当然だ、私も魔物だからな」
「通訳頼むぜマオ。
スライム、お前はなんで捕まっていた?」
「ご飯を食べていたら捕まった、理由はわからない。だってさ」
「特にわからないか……」
きっと珍しいから見世物にでもされたのだろう
「お前俺の仲間にならないか?」
「こいつは助けてくれたならお礼なんでもすると言っているぞ」
「よっしゃ!ならよろしくな、テイム!」
これでスライムが仲間になったぞ
町へ連れて帰って水色の理由を調べよう
「スライムが私の仲間とは頼りない、が
私は魔王だ、魔王の下僕として恥じない働きを期待しよう」
早速マオがスライムに立場をわからせようとしている
「いつからお前が主人になったんだよ」
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「トロールの討伐数16体、確認取れました!
報酬の金貨10枚と予定数より1体多いので合計金貨10枚と銀貨50枚です!」
「ありがとうございます!」
これでしばらく食には困らないぞ
スライムは流石にベット代取られないだろうし
「ほう、これが金か、初めて見た
これを食事と換するんだな!早く食わせろ!」
マオはずっと外にいたから基本的な人間のルールを知らないのだろう
今後の為に教えたほうがいいかもしれない
「宿についたらな、それとスライムは何を食べるんだ?」
「なんでも食うイメージだ、見たことあるのだと人間も食べていたぞ」
「嘘だろ……」
流石にもうテイムしてるから食われることはないだろうけど怖い
宿につき食事を3人分部屋へ持っていく
「今日は魚の照り焼きだってさ、俺の世界でも照り焼きってのはめちゃくちゃ旨いんだ」
異世界にも日本の食事があるのは女神様や先に来ていた勇者のおかげだろう
「魚はあまり好みではないが、この匂いは旨そうだな――、」
手づかみで食べようとするのを急いで止める
「マオは食器を使う練習な、ちゃんとしなきゃ今日のカード没収だからな」
「ぐ、私は魔王私は魔王、今だけ、今だけ耐えろ」
「そんなに俺のこと拒否してたらこれから大変だぞ……」
ひとまずマオはあれで良し
昨日と違ってもう適応してるし素直なところがある
それとスライムに名前を付けなくては
「お前は『スラルク』だ」
そういうとプルンと大きく揺れる
スラルクのスキルを取ろう
これは絶対に必要なスキルだ
《対話》
これで会話できるな
マオと違ってまだ弱いし俺がスラルクのスキルの基盤を作るらしい
最初に取ったスキルによって今後のスキルが変わってくる
「とりあえずこんなもんか、戦闘スキルは後で考えよう」
スライム固有の斬撃無効、固有種の特性なのか魔力蓄積というアビリティがある
期待が持てるな
「喋れるか?」
(ツカサさま、たすけていただきありがとうございます!)
スラルクの全身が震えて声のような音を出す
「おお!これで意思疎通ができるな!」
(でもスキルなのであまりながくははなせません)
「そうか、スキルは使いすぎると脱力感が出るらしいからな、必要な時だけでいいからな」
(でも、マオさまといっしょにせいいっぱいがんばります!)
「よろしくな!とりあえずマオの相手をしてやってくれ
あいつならスキルが無くても会話できるし俺は調べ物があるからさ」
(わかりました!)
スラルクはかなりいい子だな、わがままな王様とは違って
ギルドから借りてきた本を読む
本によると水色のスライムは他のスライムと違い知識があるらしい
確かにスラルクは会話ができる
そして体に魔力を留める力があるらしい
本来ならすぐに放ってしまう魔法を体に留めて強化して放てるらしい
魔力の増幅、トロールはこの力を利用したかったのかもな
「見たか私の素晴らしい食事を!」
「急に騒いでどうしたんだよ」
「ちゃんと食器を使って食べたぞ、こぼさずにだ!」
たしかに汚れているようには見えないが怪しい
「おい!スラルクに入っている飯はなんだ」
「ふ、どうしても食べたいって言ったからくれてやった
綺麗には食べたから文句はないだろ?カードは私のものだ」
「とてもおいしいです!」
俺はまとめ役としてやっていけるのだろうか
「なんだか一気に騒がしくなってきたけどもう寝る時間だぞ」
こういう生活を俺は待っていたのかもしれないな
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▽『スラルク』が仲間になった
前田 ツカサ
Lv12 人間 テイマー
装備 マジックウィップ
【固有スキル】 インベントリ
【職業スキル】 テイム 隠密 魔物看破 感覚共有
【アビリティ】 勇者 不老
マオ
Lv12 魔狼
【スキル】 ブラインド サンダー 嗅覚強化
【固有スキル】 咬喰 空中爪撃
【アビリティ】 勇者の仲間 テイム 獣力 ###
スラルク
Lv12 スライム
【スキル】 対話
【アビリティ】 勇者の仲間 テイム 斬撃無効 魔力伝導




