表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/14

00  始まり


「ペットを飼いたい」


それが俺の口癖だった

前田 ツカサ 29歳フリーター 

幼少期に父は俺と母を置いて出て行った

それ以来、母と二人暮らし

母は仕事が忙しくほとんど家にいない

そのせいで、俺はよく祖父母の家に預けられていた


祖父母の家には、一匹の猫がいた。

俺はその猫に触れるたび、人からは得られなかった“ぬくもり”を感じた。

それが幼いころの幸せだった


その体験からペットを飼いたくて仕方なかった

だが、俺が住んでいたのはペット禁止のマンション

子供だった俺にはその意味が分からず、何度もしつこく「飼いたい」と訴えた

……当然、母はあまりいい顔をしなかったと思う


だからわがままは祖父母が叶えてくれたが

ぬいぐるみを貰ったり、人形を貰ったりしてみても

やはり本物とは違い”何か”が足りなかった


ある日、目に入ったのが()()()()()だった


そこにはこの世には存在しないが、かわいらしい姿のキャラクターたちが多数いた

育成、捕獲、バトル等の言葉に心を奪われて少ないおこずかいを貯めて買ったのを覚えている

『ペットを育てる』夢が、ゲームの中でなら叶えられる気がした

ボールを投げる、スカウトする、掘ったりデータをスキャンしたりもあった

様々なジャンルのモンスター育成ゲームに没頭し現在にいたる


動物系の仕事をしたかったが学校にいく資金がないため就職したが

自分とは合わずに退職、いまは母の負担を減らせるように深夜コンビニバイトをしてなんとか生きている意味を見出してる気がしていた

それでも『生き物を飼いたい』という小さな夢は心に残っていた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ある日の昼間、日課であるゲーム内の育成を終え夜勤に備え眠ろうとした


「さて、今日の日課は終わったし寝るかな」


そういうと視界がモノクロになった


―――、動けない


口も手も何も動かせない

なんだ、これは夢なのか?

見たことない白い空間にいた


部屋にいたはずなのに謎の空間にいる

空は暗いがなぜか明るい


「いきなりでごめんなさい、ケガとかはないですか?」


聞いたことない女性の優しい声が聞こえた

声のほうを向くとそこには人がいた

銀髪と水色の瞳、羽衣のようなものを着た神々しく一目で美しいと思える女性がいた


「大丈夫です!はい……」


突然の出来事に、俺は少し早口で答える


「ふふ、前田(まえだ) ツカサさん、緊張しなくて大丈夫ですよ」


彼女は微笑んだ


「ここは世界と世界の狭間(はざま)

――、私は女神マルス、あなたのいる世界とは別の世界からきました。

【異世界】と、言えばわかりやすいでしょうか?」


異世界?女神?俺の名前知られているし……

戸惑いながらも質問をしてみる


「もし異世界が本当だとして……まさか転生とか……俺死んだ?」


アニメで同じようなシチュエーションを見たことがあるが夢としか思えない

その言葉を聞くと、マルスがにこりと笑い指でバツをつくる


「ふふ、少しおしいですね。ツカサさんは死んでいないので転移ですよ

 私には死者を蘇らせるような力は持ってないんです」


納得して頭の中で整理する

ここは謎の空間で実際に意識もあるし五感もはっきりして歩ける

ほんとに夢じゃないのか?

少し黙り考えているとマルスが一歩こちらに近づいてくる


「いきなりで驚かせてしまいましたね、なぜあなたはなぜここに連れてこられたか」


彼女の表情が、ほんの少しだけ悲しげに変わる


「私たちの世界では人間と魔物の争いが今も続いています。

 中でも魔物を率いている()()の力は強大――、

 人間では太刀打ちできなくなってきてしまっているんです」


『魔王』『魔物』 空想でしか聞いたことのない単語

それが本当なら確認しなくてはならない


「俺…帰ったり死んだりしないですよね」


マルスは、何も言わずに俺の両手を、そっと握った


「ッ…!!」


その手は、驚くほど柔らかくて、温かかった。

その瞬間、初めて感じた“情報量”に、言葉が出なかった


「無理にとは言いません。でも――私たちは、あなたのような人の“知恵”が必要なんです」


マルスの声は、まっすぐで、情熱的だった。


「この世界では、力を与えても人々はそれを使いこなせませんでした。

でも、あなたたちの世界では、ゲームで何度も戦い、学び、知恵を積み重ねている。

――それが、私たちにはない()なのです」

 

本当にこれは本気なのだと伝わってくる


「女神さまは、どうして俺なんかを選んだんですか?」


その話題を待っていたかのように、暗い顔が少し明るくなり、説明する


「ツカサさんを選んだ理由は一つ、テイマーとしての知識!

 異世界ではテイマーは貴重であなたはその知識が豊富。

 ぜひ()()()()()()()()()()()()魔王を打ち破って―――、」


「それってもしかして動物を育てて飼うってことですか!?」


魔物と共に、その言葉にもしかしたら自分の夢が叶うかもしれない、そう思い思わず食い気味になってしまう


「はい!そのとおり!モンスターテイマーは生物を扱う唯一の職業!」


目の前に黒い画面のようなものが現れこう書かれていた



【モンスターテイマー】

・モンスターを手懐け、様々な用途に使用する職業

・モンスターと共に戦うする魔物使い 

・動物を手懐ける動物使い虫を操る虫使いなど生き物を使役するものたちを 含めての総称




「この道をとして生きていくことをツカサ、あなたに提案します」


さっきまでの疑いや帰りたさを忘れ思わずテンションが上がる


「じゃあ、俺は、ずっと夢だったことができるのか……!?

 どうやったらなれるんですか!」


思わず身を乗り出しその様子を見てマルスが微笑む


「女神の祝福、あなたの世界で言う()()()()()みたいなものを授けて、

 異世界に勇者として召喚される。それだけでなれるから安心してくださいね」


とてもわかりやすい、そしてチートという男子なら心が躍る単語

期待しかないしもう異世界へと転移する気でいる自分がいた


「ふふ、もう勇者になる気があるようですが、祝福を授ける前に最後に聞きます

 本当に転移しますか?

 もう現代に帰れないし魔王を倒しても物凄い報酬もありません

 異世界に行ける!ってだけで行く人がほとんどですが危険ですよ?」


現代に帰れないのか……

母は心配するだろうか?いや、きっとあの人は心配しない

フリーターとなってからはもうゴミをみるような目で見られて会話もほとんどしない

だったら――

これは、最後のチャンスかもしれない


「女神様、俺は異世界にいって勇者になるよ。

諦めてた、他のひとからはちっぽけな夢かもしれないけど、叶うかもしれない

報酬は前払いってことで、魔王倒して世界救うよ!」


そういうと優しい笑みを浮かべう左手を握り上目遣いで言う


「本当に、、、よろしくお願いしますね?」


魔法陣が現れる


「異世界は厳しく不安定なところがあります。

 それでも戦えるように()()()()()()()()を授けてあります

 それとツカサさんを()()()()()にしたので元気に冒険できます!

 魔法陣の上に立っていれば異世界です、

 あなたの旅が良いものになるよう祈り続けていきますね」


スキルにアビリティを貰えるのは楽しみだ

若返りできるのも最高すぎる


魔法陣の上に立ち待ち続ける

次第に光が体を包んでいく




「女神様!」

「俺はテイムで世界を救っていきます!」


 



これから始まる冒険は夢を叶える手段

そのぐらいとしか思っていなかった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ