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貴族社会に負の目が一つ

平民の飢餓についての解決案を示し、ついに協力関係になれた。そう思われた矢先、マーシャという女の子が

部屋に入ってきて「まだそれじゃ薄すぎる」と言い出した。どうやら彼女に不穏な影が近づいているらしい、彼女はそれを解決しろという目をしていたのだった。

彼女が私を何で、どうとしているかは分からない。でも何故か、彼女の声と言葉には不思議な吸引力があり、話は聞いておこうと思った。


「最近ある問題を抱えていてね...ストーカーされてるのよ」

それに一番驚いていたのは、目の前の私では無く伯爵だった。

「君のような高貴な人...それも位も安定していて一人としての存在価値が高い人にストーカー!?。そんな世間知らずがいるのか?」

「目星はついています。多分、侯爵であるカール・アン・シュタインでしょう。」

私はもちろん、皆が驚いた。まさか伯爵より上の侯爵がそんな下品なことをやっているとは。マーシャは少し顔を暗くしながらまだ話す。

「正直、彼の行動の仕方。それはともかく、下品と言うにはもっとドス黒い、欲が蠢きそうな予感がするのです。彼は最近私のいる屋敷に赴いてはストーカーとかはせず、淡々と話をして帰っていくのです。私は今現状、彼の権力には羽がたちません。彼がその気なら、下手に動けばいいようにされるでしょう」

初めてみた時はふわっとしたイメージだけど女傑という感じだったが、彼女は今怯えている。小手先がどうこう邪道にもならない大きさの相手に恐怖している。私の目には確かに見えた。

「貴方の言うことは分かリました。解決を手伝いましょう。このまま苦しむのを見届けるよりは気分がいいですしね。」

そう言うとマーシャは私の手を取ってグイグイ引っ張ってきた。テレスに連れられてここにいきなり来たのに、それを引き継ぎされてまた行くのが面倒に思えたが、仕方なくされるがままにした。


ーーーー

カール・アン・シュタインの屋敷では、密かに召使たちが集められていた。

「は〜、眠い眠い」

カールはふかふかのイスに寄りかかってくつろいでいる。それを見る召使たちの視線を気にすることもなく。

「何か話しだしたらどうだよ、俺の要望について」

全員が黙りこくるのに腹が立つカールは、切り替えたように横にいたメイド服の女に話しかける。

「なぁ、お前。俺は金でお前を買ったよなぁ」

「はい、そのとおりでございます」

他の召使いとは違い、淡々と答える。

「ならなんかサービスはないの?必要以上だしてるんだからメイドっぽいこともしてもらわないと」

「えっ」

執事の一人が声を出してしまった。

「何がおかしい?」

「あ...いや、てっきり普通のメイドかと」

カールはプッと吹き出し、気持ちいいぐらい声を上げてその場で笑い転げる。

「アヒャヒャヒャヒャ!アッヒャヒャ!ヒーヒヒヒ!お前面白いこと言うな。こんな奴がメイドだったら俺はもう死んでるよ。」

執事は何のことが理解できなく、眉をハの字にして戸惑っている。そんな彼を見て、カールは教えてやろう前を向く。

「こいつはな、万屋さ。殺し専門の。それも世界に二つといないほどのな。ベル・シュナイダー、こいつは金がないとないしてかすかわからない。こいつのところの社長ですら暴れないように金を積んでる」

自慢気に話すカールをよそに、ベルは他の者達の瞳孔を覗き、静かに威圧をかける。皆が怯えて腰を抜かす中、執事はベルの瞳の中の漆黒の意志を感じていた。

カールは箱入り息子であったため、親に甘やかされまくり、気づけば親がいなくなって遺産と地位だけが残っていた。彼は貴族としての品がなく、嫌悪されることが多い。しかし金の使い方はかなり上手であり、設備はほとんど彼自身が勝っているため、彼の管轄である。

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