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道中の小話

兄を名乗る男テレス・ラ・コルンバ(本名テレス・ラ・アルマンド)は、セレナに向かって「母の事件の真相を探ろう」と持ちかけた。それに対するセレナの答えは、「私が王になる」ことに協力する条件を結ぼうというものだった。

テレスは言葉が出なくなるほど驚いた表情で固まってしまった。まぁそりゃそうだろう。たったの一子爵嬢が王になると急に言いだしたのだから。

「これが私の夢。これが交換条件。それぞれの夢を支える共依存型の協力をしたい。そうすれば、裏切ることもないでしょうしね」

テレスは頭を抱えながら唸り、少ししてから顔を上げた。

「ともあれかくもあれ私に協力する気があるだけでもありがたいが...まさかそんな大それた条件を持ってくるとは、甘く見ていたな」

テレスは切り替えたようにまた顔を上げる。そしてセレナの手を引いて歩き出した。

「どうしたのですか?テレス様」

「兄なのだから敬語は要らない。それよりも、私に協力してくれるならついてきてほしい場所がある」

一旦手を振り払ってから、足を揃えて歩き出す。

「と、すると」

「この計画の第一歩目のステップ。私の義父であるジャック・コルンバのもとへ行く。大きな味方を早いうちに作っておくんだよ」

ーーーーー

しばらく馬車に乗って移動していると、大きな屋敷が見えてきた。左右対称で尖りのないカクカクした宿施設のような建物だった。

「えぇと、兄様は確か伯爵家のご子息でしたよね?」

ふと軽く言葉を投げかけた。

「あぁそうだな。うちの家はお義父さんが1代で築き上げた稀な家系だ。」

テレスは続ける。

「ただそれ故ここの長であるお義父さんは超実力主義。何ができて、何をやったことがあって、何を考えているか。その結果的な項目で人を決めている。私たちの夢をかなえるためにはお義父さんに頼むのが手っ取り早いんだが、あいにく私自身を認めてもらえたことはなくてね」


なんとなく意外だった。彼はいつも優秀だと耳にしていた。でも決して怠慢に走ること無く、努力を続けていたとも聞く。もしかしたら、それも父に認められるようにしていたことなのかもしれない。

「取り敢えず、私が実力を示せばいいんですね?」

「その通りだ」

そんな話をしているうちに、屋敷の門をくぐり、庭を抜け、大きな扉の前に立っていた。

「いらっしゃいませ。せがれの話には聞いています。セレナ・ド・アルマンド様」

「久しいですね。お義母様」

まさか屋敷の母直々に出迎えに来てくれるとは...それほど私の実力を推し量りたいというのか。

「大変失礼ながら、この子爵嬢セレナ・ド・アルマンド、伯爵家コルンバ家の屋敷に上がらせてもらいます。」

テレスの母は笑顔で私に近づき、肩に手を置いた。

「大丈夫よ。そんな堅苦しくしないで、自然に過ごしてちょうだい。」

「この家でどんな過ごし方をするかは、夫が決めますので」

怖いな。そんな感想が咄嗟に出た。テレスとその母のついていき、ジャックコルンバ伯爵の部屋に着く。私は第一声を何にしようか思い悩んでいた



テレス・ラ・アルマンドは、臆病な性格である。しかし他の人に認めるために、限界を超えた勇気を常につけている。

彼自身、人との対面は苦手だが、経済学などに精通しているため、資金には困らない。

セレナについて「底の見えない恐ろしさと正義感の両方がある不思議な人」という印象を持っている。

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