しいな・ここちゅーる
歌川 詩季さま
どっしーん
玄関の重いドアを閉める音
ハァ、ハァハァ……
まずは荒い息を収めて──
我が監禁部屋にキミを解き放つ!
監禁部屋なのに『解き放つ』はヘン?
ヘンじゃないわよっ! ビシッ!
この狭い監禁部屋は今からキミとあたし様の天国なんだからね!
さァ、そこの子猫! 覚悟おし!
「ニャ?」って、無邪気な顔を斜め30度に傾けてんじゃないわよ!
鞭で打つみたいに
猫じゃらしをキミにつきつける
キミは目をまん丸くして
斜めに跳びながらじゃれついてくる
仕事帰りに拉致してきた
とても無邪気な茶トラの子猫
もうキミはあたしのものよ
もう、キミは、このあたしのものなんだからね!
ハァ、ハァ…… ダラダラ……(←よだれ)
さァ! 鳴け! はしゃげ!
このあたし様、しーな・ここちゅーるの前にへそ天しな!
ちゅーるなんて、キミは産まれてから一度も舐めたことないでしょう?
ククク……
舐めさせてやる
徹底的に舐めさせてやる!
キミが満足するまで舐めさせるのをやめないッ!
匂いを嗅いだだけで
キミが大興奮してぴょんぴょん跳ねる
かわいい声をこの監禁部屋に充満させる
あぁ……
目尻が
下がるわぁ
フンッ!
この恐怖の監禁女王、しーな・ここちゅーるを舐めないでよねッ!
舐めるなら、このちゅーるをお舐めッ!




