Kill You!
モモル24号さま
夢を見た。
先にこれは夢オチだと言っておく。
私はほんとうはこんなやつではない。
ただしかし、私の中で戦闘服の女がいつも叫ぶのだ。
「Kill You!」
「キル・ユー!」
「キリュー!」
あぁ……
桐生市、最近行ってないな。
前は仕事でよく行ってたのに。
たぶん、暑い季節だからだな。
雪が降る季節になると──
うちの会社のドライバーは雪深い地方の仕事がよく回ってくる。
強い運送会社が冬はあたたかいところの仕事を取り、うちのようや弱小に寒いところの仕事が回ってくるのだ。
新潟で荷物を下ろし、上越で新たに積んで、苗場を抜けて関東へ下りる時、よく通った。
そしてまた桐生を通り過ぎて、北陸へ──
桐生を通るのは昼過ぎだから、新潟まで上がる頃には夜になって──
北陸道がよく雪で通行止めになってたな。
ははは……。
正義に目覚めたいな。
いいところどりする強い運送会社にも──
隙間なしで仕事させるうちの会社にも──
貧乏人からお金をむしり取るやつらにも──
書きたい小説があるのに書き出さない自分自身にも──
正義の異能力パワーで攻撃できたらいいな。
私が中指立てれば、私の周りに、目つきの悪いバクダン岩みたいなしもべがいっぱい出現して──
そいつらが私に罵声を浴びせかけてくる。
空気がピンク色と紫色にモヤモヤして──
どーん
ぱーん!
戦争だ
やったんぞ
ははははは!
戦争パワーで世界はめちゃくちゃ!
そしてこれが前置きした通りの夢オチだったらよかったんだけど──
どうもそうではないらしいんだよね……。




