Eucalyptus
Eucalyptus
和名 ユーカリ
はっはっはっ
逃げ惑う義弟の呼吸音がこの長く薄暗い廊下に響き渡る。
「待ってください!!ジャンヌ姉様!!」
彼以外いない夜の廊下に彼の声が反響してより大きく聞こえる
歩き進める私と、ふらふらになりながら走り続ける義弟。次第に疲れが来たのか何もない場所でつまづき転倒した。
「まっ待ってくださいジャンヌね…」
カラン
右手に持っていた血に染ったナイフを彼の足元近くに投げ捨てるその行為に強ばる義弟。
笑みがこぼれる。
「どうやら躾がなっていないな。さすが私生児なだけはある。」
この笑みが見られないよう先程ナイフを持っていた手で口元を隠す、
「…兄上だろう?」
私は腰に着けた武器に手をのばす
カチャッ
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同性愛が禁忌とされていた時代、同性愛は異端、犯罪者として処刑された。
処刑方法は、拷問、ギロチン、絞首、火炙りなど様々だ。龍の国の王女には同性の恋人がいた。相手は公爵家の次女、死をわかつことが出来なくても一緒に居られる事が幸福を感じられる唯一の方法だった。
だがある日、王女の恋人が魔女として密告された。
王女が離宮で監禁されていた時彼女は刑を執行されていたのだ。彼女を失い狂った王女は国を破壊し、世界を滅ぼそうと暴れ始める
最愛を亡くし狂った王女を哀れに思ったのか夜の神ニュクスがカノジョに手を差し伸べた。
哀れな汝の時間を巻き戻してやろう。
ただし、汝は自身を知りなさい。汝の敵を愛しなさい。で、無ければ 汝の一番大事にしているものを全て我が破壊しよう。
王女はその条件を受け入れる。
契約成立だーーーー汝の代償はーーーーー。
龍の国 オガミラ王国
王族には龍血が流れており、神秘の力を使うことが出来た。雷霆、水龍、霜、など様々な神秘の力。
第三王女ジャンヌ・アルテス・オガミラも王族の1人だが、彼女にはなんの力もなく無能力者であった。
そんな彼女の容姿は、王族史上類稀なる神聖と言っていいほどに美貌の持ち主である。
髪色は月のような混じり気のない銀であり、太陽が当たればキラキラと宝石のように光り輝く髪の毛である。瞳は瑠璃色で、儚く美しい。
彼女の家族は彼女の容姿しか愛さず、命令でしか笑うことを許されず、許可なく泣くことも許されなかった。
ーこの国をこの世界を変えなければ私の願いは叶わない。
読んで頂きありがとうございました。