第1話 ─祝?入学─
前回のあらすじ
日本某所。初めて、何かの能力に特化した人類の突然変異である「才能保持者」が国家に認められた頃から約100年たった現代。
とある田舎の町で、不可解な死亡事件を除いては平和で、才能保持者が活用している。
「才能保持者」は莫大な経済利益を生み出すことが判明したことにより、「才能保持者」のための可能な限り優遇した学校ができる。
本来は、社会の勝ち組だけが入るはずだったこの学校に
不純物が紛れ込んでしまう。
その不純物によって巻き起こる彼らの青春とは。
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作品を開いていただきありがとうございます。iです。
前書きの前(?)に、私は前書きや後書きで無駄におしゃべりしてたりするので、前の話から見たほうがいいかもしれないです。
今回はただただ男の子が喋るだけ正直あんまり面白くないです。
世界を理解してもらうという観点ではなかなか大切だとは思いますが、それ以外は本当に何もないです。
それでも私は読んでくださると信じてます!…ね!
それではごゆっくりどうぞ…
旋律。それは奇想天外な真実の巡り合わせではなく、既存の事実が覆ることだ。
人類初の「才能保持者」が認定され、はや150年前後。
「才能保持者」は次第に、国内外問わず伝染するように広まった。
人口もネズミ算に増加していったが、それとは裏腹に社会的価値も同時に増加していった。
わずか世界総人口80億人のうち約2万4千人。
数値に直して0.00025%ほど。
控えめに言って、かなり絶望的な確率。
なろうとしてなれる存在でもないし、金があればなれるのかと言われるとそうでもない。
人として良ければなれるわけでもない。
しかし、もし認定されれば一生の安泰が保証される。
いわば、運ゲー。超低確率、ハイリターン。
そんな世の中だから、当然不服に思う人達が少なからず出てくる。
政府に対し、「才能保持者」の認定をやめさせ、全員平等にしたがるデモ活動、「才能保持者」を偽り、多額の金を請求してくる詐欺など。
しかし、まだこれでも可愛い方。
中には嫉妬に狂って「才能保持者」を殺害しようとする人が出てきた。
残念なことに、こういうことは一度起こり、報道されると広まるのが異常に早い。
これまでの「才能保持者」に関係する事件の半数以上を殺害事件、殺害未遂が占めている。
他には、「才能保持者」として認定された自身の子供を監禁、人身売買にかけた親もいたそうだ。
そんなことに見かねた政府は、ある時「才能保持者」専用の学校を設立した。
「特立希望創作高等学校」
名前は「将来、社会に出て人々の希望として活躍する、才能保持者を育成、排出する」に基づいてできたそうな。
ネーミングセンスなどは一旦おいておくとして、この学校では、「才能保持者」と認定された、現役高校生のみが入学することができる。
また、本人及び両親の了解を得られた場合に国の監視下の下、安全に過ごせることを約束した上で、学校に宿泊できることになっている。
学校内では充実した設備がふんだんに使用されており、基本的には不自由はない。
食事も、持ってくることも可だが、栄養バランスが取られている学食がある。
さらには国の監視下といっても、基本的には法律等に違反しなければ何をしても自由。当然恋愛も。
この学校内で付き合い、結婚し、さらに「才能保持者」を子どもとして産んだ卒業生もいるらしい。
学業も充実していて、進学、就職、どちらの道を選んでも、何かしら保証がある。
そんな夢みたいな学校生活。
私には縁がないと思っていた。
この国では、毎年この学校への入学者の年齢の人及び、それ以上の年齢の「才能保持者」認定のための身体検査などが行われ、その結果で「才能保持者」が発表される。
発表の時期になると、メディアやネット掲示板はそのことでもちきり。
中3の私は、ぼーっと認定者の名前が載った掲示板を眺めていた。
理由はなかった。ただただ時間を浪費して、無駄な時間を過ごしたかったのかもしれない。
50音順に名前が載ったページをスクロールしていくと、カ行の欄にあった。
私の名前が。
「狛枝珀 15歳 男」
『は?』
思わず、そんな声が漏れる。
理解ができなかった。頭が回らなくなっていた。
回らない頭で、必死に今の状況考え、ポストに何か入っていたのを思い出す。
まさかと思いポストを開けると、やけに綺麗な封筒が1つ。
恐る恐る開け、中の紙を見る。
一番最初、目に入った文字は「招待状」。
『…』
この瞬間、全てを悟った。
まだ…そうまだ、送り間違いの可能性を考え、紙を読み進めていく。
そこには、「狛枝 珀 様」と書かれた文字。
(珀 "様"て…)
そんなことを思ったが現実は変わらない。
やがてその現実を受け止め、私の頭は真っ白になり、まるで全てを失い、絶望するようにその場に膝をつく。
残った事実は、
例の学校に招待されたこと、
私は、「才能保持者」になったこと、
…それと、私は「狛枝 珀 "様"」になったってことだけ。
膝をつき数十秒経った後、私は我に返る。
急いで学校に行くための準備をしなくてはならない。
(買う必要のあるものがたくさんある)
通販アプリを開いて、お目当てのものを見つけようとする。
その時ふと思った。
…わたしの才能ってなんだろう。
私は、何かに特出しているわけでもなく、何かが得意なわけでもない。
疑問に思ったのだ。なぜそんな自分が招待されたのか。
招待状の長ったらしい文章に目をやると、わざわざ前後にスペースを空け見やすくしている箇所が一つ。
目をやり、少し期待ながら自分の才能をみるとそこには
「幸運」
というなんともな二文字。
『は?』
またも声が漏れる。
理解ができなかった。
が、今度はしっかりと頭は回っていた。
そのうえで漏れた声だ。
(幸運て…)
いろんなことに振り回されながら、私の今後と才能、必要な商品を確認していく。
そこで、一度冷静になった。
おそらく、頭に登った血が戻ってきたのだろう。
…なぜ誰からも連絡が来ない。
もっと早く気付くべきだった。
メディアでもネットでもこんなに話題になっているのに、友人から一切連絡が来ない。
事実確認も、お祝いの言葉もだ。
いや…やはり私はまだ冷静ではないのかもしれないな。
…私には友人なんていなかった。
悲惨な現実を再確認しながらも、入学を決意した狛枝。
新しい環境で、新しい出会い。
すべてが新鮮で新しい学校で、彼に降りかかる人間関係とは…?
次回 第2話 ─少女─
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ついに本編が始まりましたが…本当に内容が面白くなくて書いててすごい苦労しました。
そんな中でもなんとか面白くしようとした気概だけでも伝わっていたら幸いです。鼻で笑ってください。
それと、他の作家さんみてるとあんまりここでおしゃべりとかはするべきじゃないみたいですね。
まあ、私は続けますけど
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次も呼んでいただけるととても嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。