プール
仕事を終えての帰り道。
クーラーが利いている車に乗っているのに暑い。
無人自家用車にもっとクーラーを強めにしろと指示をだしたら、此れが最強だと返答された。
夜の帳が落ち始めた7時過ぎだと言うのに気温は50度強。
地球温暖化の影響で地球の温度はジリジリと上がり続けている。
昼の最高気温は60度を越えていた。
川沿いの道を走る車の窓から川の中で涼をとる沢山の市民の姿が見える。
日本の人口が1億人を割った現在、老衰での人口減は仕方が無いとしても事故死での人口減は容認出来ない。
だから川の上空には無人救難ヘリコプターが数機飛んでいて、LEDのサーチライトで川で涼をとる市民を照らしている。
無人救難ヘリコプターだけで無く川沿いの土手の上には消防官補助アンドロイドや警察官補助アンドロイドが多数配置され、川の中の市民を見守っていた。
私も早く帰宅してプールに浸かりたい。
門が自動で開き無人自家用車が敷地内に入り屋敷の前でドアを開ける。
屋敷の中からセクシーな水着を纏ったセクサロイドのメイドが出で来て私に挨拶した。
「おかえりなさいませ旦那様。
食事の用意は整っておりますが、先にお風呂にお入りになりますか?
それともア タ シ?」
と、ほざいているのを無視してプールに走った。
上着、ワイシャツを脱ぎ、靴を蹴り飛ばし、ズボンを脱ぐのももどかしく、プールに飛び込んだ。
ザバーン!
私は今、病院の集中治療室で手当を受けている。
何故かって?
流れている川の水と違って、プールの水は朝からの熱射で暖められ水が熱湯になってたんだよ。