一度切りのお姫様
上っ面で何も無かった
たぶん、お互いに深く考えていない
それでもなんとなく
そこにあるかのように確かめられる
不意にあった疑いも
約束を破った日も
一人で悲しんでみても
何故か、そこにあって
全ての不安が改善するような
もしくは、それが原因であるかのような
錯覚をし続ける
信頼を上乗せできた日も
傷をつけた日も
有耶無耶にして飲み込んで
今、そこにあるものの下で
楽しく笑っているのである
無粋な友人が
疑いながら話しをしても
大切な友人が
真剣に話しをしても
変えられないから落ちていく
浮上するエネルギーは
落下するエネルギーに
変換されているからである
他人の評価に疑問を持ち
疑問を持った自身に疑問が出る
当て嵌めたのは
誰の為だったのだろうか
自身の感情に沿うように
確かに事実と飲み込んだのに
自身の感情に疑問が出る
落下するエネルギーが抑えられ
浮上するエネルギーにはならず
浮遊するエネルギーとなって
スマホの時計を見るのである
悪戯にタイミングが悪い日は
自己弁護をしながら歩く
大丈夫と繰り返すのは
思い込む自信が無いからだ
不安と不満は不真面目さを作り
無駄に自由を掘り進めて
知らない他人に縋るのである
昼間の昼食と
昼間のファッションホテルは
懺悔の念仏と一緒に
一度切りという詩を書いている
全てが勘違いになったある日
内緒の関係は
終わらないことに気がついた
データと行動と自己申告と
不埒さの杜撰な実体である
ボロボロの下着は
思い出の品であった筈だ
上書き保存された記憶を
過去の記憶と取り替えようと
必死な形相になったところで
彼女には何も無いことが分かる
そして、スマホの時計を見た